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炉辺歓談
ろへんかんだん
作家
作品

中島敦

【悟浄歎異 ―沙門悟浄の手記―】

極楽にも、あの湯気の立つあつものをフウフウ吹きながら吸う楽しみや、こりこり皮のげた香ばしい焼肉を頬張ほおばる楽しみがあるのだろうか? そうでなくて、話に聞く仙人のようにただかすみを吸って生きていくだけだったら、ああ、いやだ、厭だ。そんな極楽なんか、まっぴらだ! たとえ、つらいことがあっても、またそれを忘れさせてくれる・堪えられぬたのしさのあるこの世がいちばんいいよ。少なくともおれにはね。」そう言ってから八戒は、自分がこの世で楽しいと思う事柄を一つ一つ数え立てた。夏の木蔭こかげの午睡。渓流の水浴。月夜の吹笛すいてき。春暁の朝寐あさね。冬夜の炉辺歓談。……なんと たのしげに、また、なんと数多くの項目を彼は数え立てたことだろう! ことに、若い女人の肉体の美しさと、四季それぞれの食物の味に言い及んだとき、彼の言葉はいつまでっても尽きぬもののように思われた。俺はたまげてしまった。この世にかくも多くのたのしきことがあり、それをまた、かくも余すところなく味わっているやつがいようなどとは、考えもしなかったからである。

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  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28