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才気煥発
さいきかんぱつ |
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作家
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作品
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宮本百合子 |
【歴史の落穂 ――鴎外・漱石・荷風の婦人観にふれて――】
夏目漱石が、その恋愛や行動において積極的自発的、 |
岸田國士 |
【ジュウル・ルナアル】
ルナアルの描く人物は、必ずしも常に機智に富んだ人物ではない。ルナアル自身の目からは、その機智すらも愚かなる衒気と見えるやうな人物が可なりある。それに、作品そのものは極めて才気煥発といふ感じがする。極めてスピリチュエルである。これは、作中の人物を透して、作者の機智が光つてゐるのである。
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伊丹万作 |
【人間山中貞雄】
私の山中に関する感想はほぼ以上で尽きる。要するに彼のごときは(みな、他人ごとだと思つてはいけない。)才能ある人間が過渡期に生れたため、その才能を畸型的に発達させられた一例であつて悲劇的といえば悲劇的であるが、ちようどそういう時に出くわしたればこそ我々同時代のものは才気煥発する彼の一連の作品によつて楽しまされたとも考えられる。
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坂口安吾 |
【明治開化 安吾捕物 その十四 ロッテナム美人術】
克子は良人からシノブと久世隆光の噂をきいたとき、まさかと思った。久世隆光は時々女主人の食卓にまねかれていた。才気煥発の談論と、一座の空気とピッタリした親しさ。けれどもそれは久世隆光に限ったことではない。除け者の兄のほかの総ての者がただ一様に一座の空気に親しいものに見えただけのことだ。そのころの克子の目はまだ
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小熊秀雄 |
【小熊秀雄全集-19- 美術論・画論】
いま菊池契月といふ作家の人気の状態といふものを診断してみる、ある人は斯うその性格と仕事ぶりを評してゐる『契月は才気煥発ではないが――』と、その作品をみると、その穏和な、無理のない仕事ぶりは、この人柄、つまり性格としても才気煥発でもなければ、仕事、つまり制作手段に於いても才気煥発でもないと――思はれる。しかし菊池契月氏を指して、才気煥発でないなどといつた人の顔をみたいのである。また思はず微笑も湧くのである。
いまこゝに川端龍子フワンがゐたとしたら、フワンたるものは、龍子の仕事の颯爽ぶりに、内心快適なものを味ふであらう。才気煥発、運筆自在、縦横馳駆の川端龍子氏の画の過程は、そのフワンたるものの心を躍らすに足る充分なものがある。それに反して徳岡神泉氏のフワンになつたものは、神泉氏の仕事ぶりの着実さとそして折々その停滞状態とそれから膠着現象とに辛抱をしなければならないのである。 |
平野萬里 |
【晶子鑑賞】
これ天馬うち見るところ鈍の馬埴馬の如きをかしさなれど
これ作者の自負であらう。作者は若くしてその異常な本分を発揮した為世間も早くから天才女と認めて清紫二女に比べ、自分もそれを感じてゐた。しかし一面美しくもなし、話は下手だし、字は拙し(後には旨くなつたが)、才気煥発などとは凡そ縁の遠い地味な存在でもある。見た所鈍な馬であり埴馬の様なをかしい馬だが、これでも一度時至れば空をゆく天馬になれるのだ。あんまり見くびつて貰ひ度くないといふのであらう。何か憤る所でもあつて発したものであらう。 |
ロマン・ロラン |
【ベートーヴェンの生涯】
イグナッツ・フォン・ザイフリートとグリルパルツァーとのいうところによると、ベートーヴェンは陽気さに充ち溌剌として嬉しげで、才気煥発の風を示し、社交界の中で慇懃であり、面倒くさい連中に対しても気永に応対し、
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