ご利用について
参考書
四字熟語  を     表示  件
このサイトに登録されている四字熟語を検索します。平仮名での検索や一文字からの検索、絞り込み検索などもできます。
再三再四
さいさんさいし
作家
作品

二葉亭四迷

【浮雲】

されども紳士は一向心附かぬ容子ようすで、尚お彼方あちらを向いて鵠立たたずんでいたが、再三再四 虚辞儀からじぎをさしてから、漸くにムシャクシャと頬鬚ほおひげ生弘はえひろがッた気むずかしい貌を此方こちらへ振向けて、昇の貌を眺め、莞然にっこりともせず帽子も被ッたままで唯鷹揚おうよう点頭てんとうすると、昇は忽ち平身低頭、何事をか喃々くどくどと言いながら続けさまに二ツ三ツ礼拝した。

青空文庫で読む  

島崎藤村

【家 (下)】

 正太は激昂げっこうするように笑った。暗い前途にいくらかの明りを見つけたと言出した。その時彼は叔父の思惑おもわくはばかるという風であったが、やや躊躇ちゅうちょした後で、自分の行くべき道は兜町かぶとちょうの方角より外に無い――もっとも、これは再三再四熟考した上のことで、いよいよ相場師として立とうと決心した、と言出した。

青空文庫で読む  

太宰治

【春の盗賊】

 いま考えてみると、その他にも、たくさんの不思議な前兆があった。ずいぶん猛烈のしゃっくりの発作に襲われた。私は鼻をつまんで、三度まわって、それから片手でコップの水を二拝して一息で飲む、というまじないを、再三再四執拗しつように試みたが、だめであった。

青空文庫で読む  

岩村透

【大叫喚】

多くの人々が、不慮ふりょの災難に、非命ひめいの死をげた事が、往々おうおうにあったのだが、その頃に、其処そこあとから汽車で通過とおりすごすると、そんな山の中で、人家の無い所に、わいわいいって沢山の人々があつまっているのが、見えるのだ。機関手は再三再四汽笛を鳴らして、それに注意を与えるが、彼等は 一向いっこう平気で、少しもそこから去らないから、仕方なしにまた汽車を動かして、其処そこを通ってくと、最早もはや彼等の姿は、決して人の眼に映らないが、

青空文庫で読む  

坂口安吾

【文章その他】

あれは闇を吹く風の訪れだと言ふのである。老母はそこで座にもどつて誦経をつづける。再び戸がコト/\となる。やつぱり娘ではと又立ち上る。なんの死んだ娘の来ることがあらうかと、合邦は慌てふためいて押しとどめる。実は内心てつきり娘と分つたのだが、娘とあれば殺さねばならず、思ひみだれて、とにかく家へは上げぬ分別と考へたらしい。あれは深夜の風の訪れにまぎれもないと言ひくろめて、老婆をむりやり仏前へ座らせてしまふ。又、戸が幽かにコト/\と鳴る。再三再四、同じことが繰り返される。たうとう老婆はたまりかねて、いいえ娘です/\と狂乱の態で、いとしい娘よと戸口の方へ走りよる、合邦もとめかねてしまふ。

青空文庫で読む  

野呂栄太郎

【名人上手に聴く】

マルクス・レーニン主義の歪曲、俗学化に対する闘争は、それゆえ、マルクス五十年祭を記念するために、最も重要なそして意義のある事業である。この闘争において必要な第一のことは、マルクス、エンゲルス、レーニン自身によって書かれた今はすでに歴史的なものとなっている文献に直接親しみ、解説書等で間に合わせをすることなく、たとえ一年に一冊でもよいからそれを再三再四精読し、それによって、ややともすれば歪められがちなわれわれの物の観方を正しくし、鈍らされがちな考え方を鋭くするように絶えず努力することである。

青空文庫で読む  

北村透谷

【鬼心非鬼心 (実聞)】

さては鬼にもあらずと心稍々やゝ安堵したれば、何故なにゆゑにわれをむるやと問ひしに、唯ださめ/″\と泣くのみなり。再三再四問ひたる のちに、答へてふやう、わらはは今宵この山のうしろまで行かねばならずと。

青空文庫で読む  

岡本かの子

【母と娘】

始めて自分の娘を一人旅に送り出したママは旅先きで娘がどんな刺戟や感銘を受けるかをハラハラ身もやせる程案じて居ります。でも聡明なあなたはキット立派な判断力に依って物事の核心を掴んで帰って来ると信じて気を静めて居ます。一見したのを直ぐ其のまま受け取らないで、再三再四繰返えし考え、横からも縦からも噛みしめて本当の事実を本然の姿を突き留めて来て下さい。そうでないとママとあなたは他人のようになってしまうとも知れません。

青空文庫で読む  

伊藤永之介

【押しかけ女房】

 若勢を頼みたくても、男という男がみんな田圃からひツこぬかれて行つてしまつているこのごろ、金の草鞋でさがし廻つてもみつからなかつた。それで、武三をこれまで通りに置いて呉れるよう、父親の竹松に再三再四拝まんばかりに頼んだが、竹松はどうしても首をタテに振らなかつた。

青空文庫で読む  

福沢諭吉

【学問のすすめ】

 旧幕府の時代に名目金みょうもくきんとて、御三家などと唱うる権威強き大名の名目を借りて金を貸し、ずいぶん無理なる取引きをなせしことあり。その所業はなはだにくむべし。自分の金を貸して返さざる者あらば、再三再四力を尽くして政府に訴うべきなり。しかるにこの政府を恐れて訴うることを知らず、きたなくも他人の名目を借り他人の暴威によりて返金を うながすとは卑怯なる挙動ならずや。

青空文庫で読む  

 
  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

おすすめサイト・関連サイト…

Last updated : 2024/06/28