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三百代言
さんびゃくだいげん |
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作家
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作品
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坂口安吾 |
【二十一】
僕の毎晩の訪れに大喜び、娘の生い立から死に至るまで同じことを繰返しきかされたけれども、ひとつも耳に残っておらぬ。こうして毎晩修三兄弟の不在がつづき婆さんと僕二人だけで深夜まで話しこむ習慣がつくと、婆さんは僕を大いに頼もしがり、グチから転じて三百代言のようなことを頼まれた。婆さんは占師から月々三十円の生活費をもらっていたが、修三兄弟と一緒の生活を命じられて以来、一文の金も受取らぬ。女中だって只の筈はないわけで、こういう不良青年兄弟の世話をやらされたあげく、従来の生活費まで体よく中止されては話にならぬ。
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石川啄木 |
【A LETTER FROM PRISON】
文明、文明といつて日本の國體を忘れてるやうな奴は、僕は好かん。第一僕は今度のやうな事の起つた際に、花井だの何だのいふ三百代言共が、その辯護を引受けるのが可かんと思ふのだ。何處を辯護する。辯護すべき點が一つもないぢやないか。貴樣達のやうな事をする奴を辯護する者は日本に一人もゐないぞといふことを示してやらなくちや可かん……
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長谷川時雨 |
【旧聞日本橋 古屋島七兵衛】
書生さんといったからとて、五十近かったかもしれない。黒い前掛けをしめて、「あれはなんなの?」 アンポンタンがそう 「あの人は アンポンタンは子供心にこう理解した。代言人のとこへくるから三百代言? |
宮本百合子 |
【『キング』で得をするのは誰か】
男や軍人が書いたのでは陳腐だというので、警察官の女房などにわざわざ「満州里遭難血涙記」を書かせ、公爵近衛文麿の戦争をけしかける論文。今ジェネヴで「泥棒にも三分の理」にさえならぬ図々しい屁理屈をこねている日本帝国主義の三百代言松岡洋右の提灯もちなどとともに、大衆を犠牲として恐慌を切りぬけようとする支配階級帝国主義戦争強行のチンドン屋の役を相つとめている。
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海野十三 |
【仲々死なぬ彼奴】
喜助は、そんな乱暴な口を利いている男の顔をはじめてマジマジと見上げて、大いに驚いた。それは四五日前までは、毎日のように彼のところへ来ては、老人へのよき |
田中正造 |
【土地兼併の罪惡】
それから村の中へ七人と云ふ惡黨を入れて是等に非常な流言を放たして、村中を驅け歩いて、人民を騷がして歩く、此商人が色々騷がして歩く爲に人民は發狂した如くなつて居ります、さうなくても三四年食物がなく借金をして居る、金主の方は金貸の方へ内通をして居つて金貸が非常に督促をする、三百代言を何百人と入れてサア寄越せと云ふ、田地を抵當にしても取る人がない、賣らうと云つても買手がない、
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岸田國士 |
【歌舞伎劇の将来】
彼等は、近代的な表情と、姿態と、語調と、雰囲気とに鈍感であり、殊にその心理的陰翳に対して無神経そのものである。かういふ俳優が、近代的色彩の濃い作品を演じるのは無理であるし、「多少でも近代的教養をもつた人物」になれよう筈はないのである。興奮すれば粗野になるか、女々しくなり、ユウモアは下品になり、機智は擽りになり、ふわッとした味がなくなつた、ガサガサしたものになり、余韻が消えて、露骨さが目立ち、 |
清水紫琴 |
【誰が罪】
『君等は大村の人物を、誤解しとるから、そんな失敬な事をいふんだ。大村の厳父は政論壇上に立ちながら、ことさらに国事犯閥を避けて、平民的常事犯をもて問はるるの所為を選んだ人傑ではないか。してみると今この令息が、先生の下風に立つて、功名の前途を取るを |
三好十郎 |
【猿の図】
正確な意味での戦争犯罪者は、戦争を直接に誘発した少数の軍部指導者や財閥指導者たちと、それから国際法規によって規定されている一方的残虐行為を犯した者だけであって、それ以外の一般国民は、だまされていたのと同時に、起ってしまった戦争に負けてはたまらんからと思って協力しただけだから、戦争責任はないという議論であります。……これは一見、もっともらしく、かつ俗耳に入りやすい議論ではありますが、実は、よく考えてみると俗論中の俗論で、三百代言式の言いのがれ論である。――なぜなら、事実上戦争をしたのは、国民全部であります。ごく少数の進歩的考えを持っていた人たちが、これに参加しなかっただけであって、その他は全部戦った。責任はあるのであります。
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泉鏡花 |
【卵塔場の天女】
「お久さんだけ、一人だけよ、一人だけなら逢っても「さあ、そう、うまく行くか知らん。……内証で呼出したりなんかして、どんな三百代言が |
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