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三位一体
さんみいったい
作家
作品

夏目漱石

【文芸と道徳】

のみならず芸術的に厭味がなく道徳的に正直であるという事がこの際同じ物を指しているばかりではなく理知の方面から見れば真という資格に相当するのだから、つまりは一つの物を人間の三大活力から分察したと異なるところはないのであります。三位一体と申してもよいでしょう。

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森鷗外

【青年】

金が集まって資本になると、個人をわざわいするものが一変して人類を禍するものになる。千万の人はこれがために餓死して、世界はその前にひざまずく。これが悪魔のわざでないなら、不可思議であろう。奇蹟であろう。この奇蹟を信ぜざることを得ないとなれば、 三位一体さんみいったいのドグマも信ぜられない筈がなくなると云うのである。

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寺田寅彦

【自由画稿】

 それはとにかく、年を取るに従っていろいろな毛ぎらいがだんだんにその強度を減じてくることは事実である。そうして同時に好きなものへの欲望も減少し、結局自分の中の「詩の世界」の色彩があせてくることもたしかである。
「毛ぎらい」と「詩」と「ホルモン」とは「三位一体」のようなものかもしれないのである。

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平林初之輔

【ポウの本質】

 文明と、物質的進歩と、デモクラシーと、アメリカを構成するこの三位一体をポーはひっくりかえした。ポーはアメリカ文学におけるオアシスであった。

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坂口安吾

【狼園】

それからの芹沢東洋は、名声のあがるところに必ずパトロンヌと金にめぐまれ、女と金と名声はあたか三位一体のやうに彼の身辺を離れることがなかつたといふ。血気壮んな年齢に盛運を満喫したこの男は、調子に乗りながらもザジッグ的な厭世感をどうすることもできなかつた。

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戸坂潤

【現代唯物論講話】

 哲学的物質はその本質上の諸性質――形而上学は不幸にも之を本体の属性(Attributum, Eigenschaft, Beschaffenheit)と呼ぶことによって動きが取れなくなったのだが――として、空間・時間・運動・をもつ(この三つのものは物質に於て云わば三位一体をなしている)。

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大杉栄

【獄中消息】

 この頃はノミと蚊と南京虫とが三位一体になって攻め寄せるので、大いに弱っている。僕昨日剃髪した。

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国枝史郎

【日本上古の硬外交】

 ところが聖徳太子様の御見解はそれとは反対で、成程最初こそ朝鮮や支那の文化を輸入して日本の文化を促進させたが、今日に於ては日本民族独特の抱容性と消化性と合理化性と創造性と第三文化打出的ルネッサンス性とによって、日本的純粋の高度文化を築上げ、既に官位十二階、憲法十七条を定め、朝礼を改正し、暦日を採用し、四天王寺、法隆寺等の世界的優秀の寺院をも建立し、儒教の思想を咀嚼し仏教の教理を摂取し、しかも日本古来よりの神道をその上に位せしめ三位一体的に日本の文化を推進めて居る。

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清水紫琴

【葛のうら葉】

 何にこの人しかく眼立ちしやといふに、その部屋は行燈部屋に隣れる三畳敷にて、外にはこれに類ふべきものなき麁末なる部屋なりしと。一ツにはまたその人の身装みなり我のみならで、誰の注意をも惹きしなり。先づその一ツを挙げていはば、白紺大名の手織じま。これぞこの人の夏冬なしの平常着ふだんぎにて、しかもまた一張羅なれば。夏はその綿と裏とは無情にも、きつつなれにしつまを剥がれて、行李の底に追ひ遣らるるなれど、われてもあはむ冬を待てば、再び三位一体の、世になり出る春衣ともなりて、年一年をこの人の身に附き纒ふなれば。口さがなき下女どもはこの人のまたの名を大名縞のお客様といひはやしぬ。

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寺田寅彦

【時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ】

 現今物理学の研究問題は、分子、原子、エレクトロン、エネルギー素量となって、至るところに混乱系が跳梁ちょうりょうしている。プロバビリティの問題、エントロピーの時計の用途は存外に広いという事を思い出すに格好な時機ではあるまいか。
 時。エントロピー。プロバビリティ。この三つは三つどもえのようにつながった謎の三位一体である。この謎の解かれる未来は予期し難いが、これを解かんと努めるのもあながちむだな事ではあるまい。

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Last updated : 2024/06/28