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三千世界
さんぜんせかい
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作家
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作品
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【邪宗門】
「まあ、気味の悪い事を仰有います。」
御姫様は元より、二人の女房も、一度にこう云って、襲の袖を合せましたが、若殿様は、愈御酒機嫌の御顔を御和げになって、
「三千世界は元より広大無辺じゃ。僅ばかりの人間の
智慧で、ないと申される事は一つもない。
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【般若心経講義】
ちょうど、子を持って、はじめて子を持つことの悩み、
欣びがわかるように、私どもは子をもって、親の恩を知ると同時に、子の恩をも知ることができるのです。三千世界に子ほどかわいいものがないということを知らしてくれたのは、全く子の恩です。自己を忘れて子供をかわいがる。その無我の心持、利他の喜びを、教えてくれたのは、ほんとうに子供のおかげです。全くうき世のこと、すべて唯証相応です。
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【おさんだいしよさま】
三千世界
広いこの世は
三千世界
親のない子は
皆おいで
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【桜さく島 見知らぬ世界】
阿波鳴門順礼歌
ふる里をはる/″\
こヽに紀三井寺
花の都も近くなるらん
「お鶴は死ないんですねえ、母様」
「さいなあ、阿波の鳴門をこえて観音様のお膝許へいきやつたといのう」
「でも、お鶴はお祖母様の手紙を母様にみせたの」
「さいなあ、お鶴の母御は、その手紙をお鶴の懐からとりだして読みながらよみながらお泣やつたといのう」
「母様、お鶴は死んだの」
「なんの、死ぬものぞいの。お鶴は観音様のお膝許へいつたのやがな」
「母様、お鶴はなんて言つて歌つたの」
賽の河原で砂手本
一ツつんでは母のため
二ツつんでは父のため
三千世界の親と子が
死出の旅路をふだらくや
あすの夜たれか添乳せん
「か……母様」
「なあに」
「お……お鶴は死ないんですねえ」
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【他界に対する観念】
詩の世界は人間界の実象のみの占領すべきものにあらず、昼を前にし夜を後にし、天を上にし地を下にする無辺無量無方の娑婆は、即ち詩の世界なり、その中に遍満するものを日月星辰の見るべきものゝみにあらずとするは、自然の憶度なり。生死は人の疑ふところ、霊魂は人の惑ふところ、この疑惑を以て三千世界に対する憶度に加ふれば、自からにして他界を観念せずんばあらず。地獄を説き天堂を談ずるは、小乗的宗教家の
癡夢とのみ思ふなかれ、詩想の上に於て地獄と天堂に対する観念ほど緊要なるものはあらざるなり。
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【尼たちへの消息 ――よく生きよとの――】
十字(蒸餅)五十まい、くしがき一れん、あめをけ(飴桶)一、送給畢。御心ざしさきざきかきつくして、筆もつひゆびもたたぬ。三千世界に七
日ふる雨のかずはかずへつくしてん。十萬世界の大地のちりは知人もありなん。法華經一字供養の功徳は知がたしとこそ佛はとかせ給て候へ、此をもて御心あるべし。
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【大菩薩峠 新月の巻】
和泉屋の福松は、がんりきと言い出してまた躍起となり、
「ほんとに、いやな奴たらありゃしない、三千世界の色男の元締はこちらでございってな
面をして、手んぼうのくせに見るもの聞くものにちょっかいを出したがるんだから、始末が悪いことこの上なし、そうして、御当人のおのろけによると、そのちょっかいというちょっかいが、十のものが十までものになるんだそうだから、やりきれない、キザな奴、イヤな奴――」
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【悪獣篇】
皺手に呼吸をハッとかけ、斜めに丁と鑿を押えて、目一杯に海を望み、
「三千世界じゃ、何でも居ようさ。」
「どこに、あの、どこに居ますのでございますえ。」
「それそれそこに、それ、主たちの廻りによ。」
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【根岸お行の松 因果塚の由来】
若「お前さんでも貞婦両夫に見えずということがあるは知ってるでしょう、私だって左様だわ、一旦伊之さんとあんな交情になったんだもの、世間の義理で切れましょうと云ったって、心から底から切れるなんかッてえ気は微塵もありゃアしないのさ、ひょんなことがあったからね、これでは伊之さんに邂逅っても愛想をつかされるだろうと悲しく思ってるを、伯父さんは些とも察してくれず、お嫁にゆけのなんのというじゃないか、私の良人は三千世界に伊之さんより外にないんだものお前、
仮令嫌われたって愛想をつかされたって、二人の良人は持ちますまいと心に定めてこんな姿になってるんだからね」
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【浮標】
美緒 ……頼むわ、……小母さん……私が……居なくなつたら……五郎のこと……(小母さんに向つて両手を合せる)
小母 (まだまちがつて受取つてゐる)ハツハハハ、さうどす! 拝みなはれ、拝みなはれ、あんな良いお婿はんは三千世界捜しても居やはらへん!
美緒 いえ、あのね……(とまだ何か言はうとするが、数語を言つたためにガツクリしたのと、自分の声ではどんなに小母さんの耳の傍で言つても、到底きこえさうにないために、話すのをよしてしまひ、涙ぐんで、うなづいて見せる)……(しかし又、フト思い附いて、小母さんの片手を取つて、その手の平に指で仮名を書きはじめる)……。
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Last updated : 2024/06/28