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残念至極
ざんねんしごく |
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作家
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作品
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永井荷風 |
【書かでもの記】
拝啓久しく御無沙汰に打過ぎ
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甲賀三郎 |
【支倉事件】
「その翌々日荊妻が亦私に面会を求めて来ました。此時は荊妻はしおれた顔をして、さも心配そうにもう駄目です。家屋は東洋火災保険会社より仮差押えされましたと云って、しお/\と帰りました。あゝ我れは虚偽の申立をなし、殺さぬものを殺したとして、妻子を救う考えなりしに、救う事出来ず、我れは謀られたのであったか、我れも是までなり、残念至極、無念々々、謀られて我は冤罪の下に絞首台に上るか」
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小酒井不木 |
【名古屋スケツチ】
東北隅に座を占めて居る赤煉瓦の建物は日本銀行名古屋支店で、この支店を動かすことが出来なかつたゝめ、大津町筋を真直にすることが出来ず、電車線路が歪んで居るところは、弁膜不全の心臓を見るやうである。赤煉瓦の建物など、どう考へても時代遅れだが、その時代遅れの建物にがん張られて、街の方を歪めたところなどは、どうもやつぱり名古屋式であるらしい。日本銀行支店など、名古屋の三銀行(名古屋、愛知、明治)から見れば問題にされて居ないのだが、いや、むしろ継子扱ひなのだが、その継子のために折角の都市の美観を犠牲にするとはげにも残念至極なことではないか。
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岸田國士 |
【チロルの古城にて】
朽ちはてた古城の一角で可憐な、しかも見惚れるほど気品のある一少女を発見して、私は忽ち芸術的感興に唆かされ、カメラを向けたのがこれである。意図はいゝのだが、腕がそれに伴はなかつたのが残念至極である。
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三遊亭圓朝 |
【後の業平文治】
文「いや、見す/\蟠龍軒 |
井上準之助 |
【最近欧米に於ける財政経済事情】
そこで非常なる緊縮の方針も立てゝ見たのでありますが、色々政治上の関係とか、或は反対の説もありまして、結局都会で金を使へば地方が疲弊すると云ふ様な事で、国民一致之を動機にして大奮発することが出来なかつた事は非常に残念至極に考へるのであります。併し今日でも遅くはない。必ず之を一の動機にして、日本を立て直すと云ふ事が必要と考へるのであります。
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織田作之助 |
【猿飛佐助】
「時も時、草木も眠る丑満の、所もあろうにわが山門に、紛れ込んだる慮外者、熱に浮かされ夜な夜な歩く、夢遊病者か風来坊か。風の通しのちと変挺な、その脳味噌に風穴一つ、明けて口惜しい手裏剣を、眉間めがけて投げてはみたが、宙にとめられ残念至極、うぬは一体どこの何奴だ?」
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薄田泣菫 |
【艸木虫魚】
「今度権現様より御拝領になりました虚堂の御懸物は、天下一と承りますにつけて、一度拝見いたしたいと存じながら、今日までその折がなくて過しましたことは、残念至極でなりませぬ。もしお骨折により、拝見が叶いますならば、今生の面目この上もない事かと存じます。何分御覧の通り、老年の身の上、この度帰国いたしました上は次の参府はとても望まれないことかと存ぜられますので……」
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宮本百合子 |
【獄中への手紙 一九四五年(昭和二十年)】
だからね」「全くねえ」その娘さんがお母さんと暮していて、亡父の財産が、満州にあって、あっちで後見役をしている三十何歳かの叔父さんが、満州こそ安全と主張するため、新京へ帰ったのは残念至極です。そういう話、そんな事があったので、ブリュラールのこの文句はああやっぱりこう思うのねと面白く思えました。
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国枝史郎 |
【赤格子九郎右衛門の娘】
「ああ有難う存じます」「ただし一つ合点のゆかぬは、山屋を滅ぼした赤格子一家は 「……知らぬが仏とは正しくこの事。存ぜぬこととは云いながら今日が日まで一家の仇赤格子の娘の手下となりうかうか暮らして居りましたこと残念至極に存じます」 「…………」 |
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