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惨忍酷薄
ざんにんこくはく
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作家
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作品
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【剣侠】
「アッハッハッ、地獄々々! そこは恐ろしい生地獄! そこへ行ったら命が無い! 有っても人間発狂する! アッハッハッ発狂する! ……が、今夜も可哀そうに、女が一人送られましたよ。さようさようその生地獄へ!」
こう云うと嘉門は惨忍酷薄、
洵女の生血を飲み、肉を喰らったといわれている、伝説の大江山の酒顛童子、それさながらの表情をして、ぐっと多四郎を睨むように見た。
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【畜生道】
陪審制度はそこの欠点を補はうとするのが目的だ。陪審官も人間であるから、矢張神通力がない。誤認があるかも知れない。けれども今の裁判官に任せて置くよりも、数等、数十等正確な事実の認定が出来る。少くとも今の裁判官のするやうな、疑はしいものは之を罰すると云ふ、惨忍酷薄な認定がなくなる丈でも、人民は幸福を享ける訳だ。
先日青木に遇つたら、今の裁判は畜生道だと云つた。
「大分酷いことを云ふねえ」と云つて俺は笑つた。
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Last updated : 2024/06/28