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生殺与奪
せいさつよだつ |
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作家
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作品
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泉鏡花 |
【式部小路】
刻下、口を |
直木三十五 |
【ロボットとベッドの重量】
「恋愛にさえ、ロボ助が、勝つようになっては、人類の最後ですね。」「ええ、生殺与奪は、女性の手へ、戻ってきた訳ね。」 「そうらしいです。」 |
平林初之輔 |
【予審調書】
窓からさしこむ夕日は、室内の光景に、一種の神厳な趣を添えている。原田教授は、我が子の生殺与奪の権を握っている予審判事の口から出る一語一語に、はらはらしながら聴き入っていた。判事は相変らず化石のような調子で話しつづける。その落ちついた調子が、きき手の心をますますいらだたせるものである。
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大杉栄 |
【奴隷根性論】
勝利者が敗北者の上に有する権利は絶対無限である。主人は奴隷に対して生殺与奪の権を持っている。しかし奴隷には、あらゆる義務こそあれ、何等の権利のあろう筈がない。
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宮本百合子 |
【逆立ちの公・私】
明治からの日本の文化史をみれば、われら日本の民草というものが、ただの一度もヨーロッパ諸国の市民たちが経過した市民社会の生活経験というものをもっていないことは、明かな事実である。長い長い封建の時代、命さえも自分に属するものではなく、武士は家禄によって領主に生殺与奪の権をもたれていたし、人民百姓は、手討ちという制度の下におかれていた。森鴎外の「阿部一族」の悲劇が、殉死のいきさつをめぐっての武士間の生存闘争であることに、二重の悲劇の意味がふくまれるのである。
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黒島傳治 |
【武装せる市街】
それは、解雇されそうな、ヒヨ/\の老人や、睨まれている連中だけじゃなかった。どうしても工場になくてはならない熟練工や、いたいけない、七ツか八ツの少年工や少女工までが、蒼くなって、どんよりとした、悲しげな眼で、生殺与奪の権を握っている日本人をだまっておがむように見るのだった。
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戸坂潤 |
【世界の一環としての日本】
言論の統制というものはもはやただの言論活動の統制などではなくて、人間的生存そのものに対して生殺与奪の力を振るう云わば牧畜的統制にさえなるのである。「言論の自由」と云う実際問題はこの点に横たわるのである。
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本庄陸男 |
【石狩川】
彼らの代々の城主が、この土地に養っていた家臣は、いつの間にか、それはまた分封された自分の小さな土地に於いては主であった。城主に生殺与奪の権が |
吉川英治 |
【三国志 臣道の巻】
「まず、それへかけ給え。拙者も腰をおろそう」と、ゆったり構え、「……すでにお覚りであろうが、玄徳も張飛も、共に敗れ去って行方もしれない。ただ玄徳の妻子は、 |
吉川英治 |
【私本太平記 千早帖】
いかに高氏が困惑しまた逆上しても、ここで盲目的な攻撃にはよも出られまい。おそらく弟 |
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