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贅沢三昧
ぜいたくざんまい |
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作家
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作品
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有島武郎 |
【かんかん虫】
気の早い野郎だ……宜いか、是れからが話だよ、……イフヒムの云うにゃ其の人間って獣にしみじみ愛想が尽きたと云うんだ。人間って奴は何んの事は無え、贅沢三昧をして生れて来やがって、不足の云い様は無い筈なのに、物好きにも事を欠いて、虫手合いの内懐まで手を入れやがる。何が面白くって今日今日を暮して居るんだ。虫って云われて居ながら、それでも偶にゃ気儘な夢でも見ればこそじゃ無えか……畜生。
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太宰治 |
【小さいアルバム】
私が、このような大軟派の恰好で街を歩いても、ついに一度も殴られた事がない。忠告された事も無い。さすがの硬派たちも、私のこんな姿に接しては、あまりの事に、呆れて、敬遠したのかも知れませんね。私は今だってなかなかの馬鹿ですが、そのころは馬鹿より悪い。妖怪でした。
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小熊秀雄 |
【殴る】
――貴方なんて、生まれつきのブルジョア思想よ、どうしてそんな荒つぽい運動が出来るものですか。副食物のこと、室内装飾のこと友人との交際のこと等色々のことに、贅沢三昧をいふことに彼女は腹を立てゝゐた。 |
宮本百合子 |
【労働者農民の国家とブルジョア地主の国家 ――ソヴェト同盟の国家体制と日本の国家体制――】
そして、ソヴェト同盟のあらゆる勤労者は年に一ヵ月ずつ休暇をとり、その期間は、景色のよい海岸や山の「休みの家」へ休養に出かける。産業別の各組合が、それらの「休みの家」を持っていて、賄つきで組合員を休ませるのであるが、どの「休みの家」も実に立派なものだ。昔はロシアの勤労大衆を「黒い連中」と呼んで搾っていた皇帝や大ブルジョア・大地主等が、贅沢三昧をつくして建てた離宮、別荘などが、今日ではソヴェト同盟の勤労大衆のためにだけ開放され、利用されている。
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種田山頭火 |
【其中日記 (五)】
二月廿五日朝からかしわで酒の贅沢三昧。 黎々火君とは駅で別れる、君は上りで門司へ、私は下りで糸田へ。 一時にはもう緑平居に落ちついて、湯豆腐で一杯二杯三杯だつた。 |
岡本椅堂 |
【黄八丈の小袖】
お常は今年四十九の古女房であったが、若い時からの |
中里介山 |
【大菩薩峠 めいろの巻】
これは少し手荒いようです。なんぼなんでも女だてらに、この際男と名のつくものの横面を、衆人環視の中でピシャリとくらわせるのは、やり過ぎたようですが、またお角の身になってみると、かりにも自分の知らないではない野郎の端くれが、こんなところで、飛んでもない、業ざらしにあい、自分としても、恥も、外聞も忘れて、助けに来てやったのに、着物を着せてもらえば、いい気になって、水が飲みたいとか、梅干が食いたいとか、
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国枝史郎 |
【生死卍巴】
松倉屋の女房の高価な品物? 勘右衛門が取り返そうと追って来た品物? 刑部屋敷の主人へ渡して、返辞と何かを下さるだろうから、それをいただいて参れという品物。……松倉屋は昔は抜け荷買いだ、異国の珍器なども持っていよう。刑部屋敷の主人といえば、そういう品物を売買する奴だ……松倉屋の女房は贅沢三昧で、むやみと金を使うという。……うむ、解った! それに違いない!
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