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全身全霊
ぜんしんぜんれい |
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作家
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作品
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有島武郎 |
【或る女 (前編)】
葉子の母が暴力では及ばないのを悟って、すかしつなだめつ、 |
倉田百三 |
【人生における離合について】
わが国でも大正末期ごろにはそうした技法によって他人との接触面をカバーするような知性がはやったこともあったが、今はそうではない。愛し、誓い、捧げ、身を捨てるようなまともな態度でなければこの人生の重大面を乗り切れないからである。元来日本人は「水魚の交わり」とか「血を啜って結盟する」とか「二世かけてちぎる」とかいうような、深い全身全霊をかけての結合をせねばやまない激しいところを持っている。これが対人関係における日本的性格の一つの著しい特徴であろう。
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坂口安吾 |
【将棋の鬼】
このアゲクが、大事の急所で慎重な読みを欠き、升田ついに完敗を見るに至ったが、誤算に気付いた升田の狼狽、サッと青ざめ、ソンナお手々がありましたか、軽率のソシリまぬかれず、これは詰みがありますか、ガク然として、自然にもれる呟き、こうなると、相撲と同じようにカラダで将棋をさしてるようなもの、ハッとかゞみ、又、ネジ曲げ、ネジ起し、ウヽと唸り、やられましたか、と呻き、全身全霊の大苦悶、三十一分。勝負というものは凄惨なものである。
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永井隆 |
【この子を残して】
ところで私の場合であるが、なんと言っても戦争はあらゆる無理を国民一同とひとしく私にも強いた。この無理は避けられる筋のものではなかったし、国民の一人として喜んで果たさねばならぬ義務でもあった。私は、無理は百も承知の上で、全身全霊の力の限りを尽くして、その日その日の無理をとにかく片づけていった。
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原民喜 |
【夏の花】
河原の方では、誰か余程元気な若者らしいものの、断末魔のうめき声がする。その声は八方に |
岸田國士 |
【火の扉】
北原ミユキは耳のそばでさゝやく老夫人の言葉にうわの空で、なんべんもうなずきながら、全身全霊をうちこむとはこのことかと思われる井出夫人の感情をこめた演奏ぶりに魂を奪われていた。
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小栗虫太郎 |
【白蟻】
人間心理の |
中里介山 |
【大菩薩峠 農奴の巻】
何とは知らず、骨までゾッとしたものに襲われて、この少年の挙動をさまたげてはならない――という気になって、粛然として息を呑んでいると、五体投地の少年の前面に、つまり、親柱の |
片岡義男 |
【ラハイナまで来た理由】
彼女の肉体はなにに反射しているのか。全身全霊をきわめて鋭敏で正確な受信機にして、必要な情報のすべてを自分の内部に集め、その蓄積を一瞬のうちに演算し、その結果のとおりに自分の体を動かす。自分の肉体に彼女はそのような反射をさせている。判断が正確ではないと、いくら体が動いても、そこにはなにものも生まれない。
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