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十死一生
じっしいっしょう
作家
作品

幸田露伴

【蒲生氏郷】

何はあれ関勝蔵の一隊を境にして、前の諸隊は一揆勢に向い、後の三与は政宗に備えながら、そして全軍が木村父子救援の為に佐沼の城を志して、差当りは高清水の敵城をほふらんと進行したのは稀有けうな陣法で、氏郷雄毅ゆうき深沈とは云え、十死一生、危きこと一髪を以て 千鈞せんきんつなぐものである。

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菊池寛

【碧蹄館の戦】

その武将の子である宗茂及びその一党、皆覚えあるものと思う、宗茂が三千は余人の一万に当るであろうと推挙するので、諸将尤もとして宗茂を先陣と定めた。若輩の宗茂は、歴々満座の中に面目をほどこして我陣屋へ帰ると、宗徒むねとの面々を呼び集めて、十死一生の働きすべく覚悟を定めた。第一陣はこの宗茂、並びに弟高橋直正以下三千である。第二陣は、隆景旗下八千の兵、第三隊は小早川 秀包ひでかね、毛利元康、筑紫広門等五千、第四陣は吉川広家が四千の兵。総勢二万の大将は隆景である。秀家始め三奉行、黒田長政等も、各々順序を以って陣構えした

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直木三十五

【三人の相馬大作】

「討てるか」
「一人を討っただけで、捕われるのも残念に思いますから、先生が、お手を下されないなら、手前討とうと存じます」
「討てるか」
「短銃で、討てようと思います」
「それもいい。相馬大作が、二人現れてはおもしろかろう」
 大作は、眼を開いて微笑した。
「然し、短銃は、己を全うして、敵を討とうとする得物えものじゃ。凡そ、人を討つほどの者は、敵のみ討って、己を全うしようと考えてはいかん。己も死ぬ、その代りに、敵もたおす。この覚悟をせんといかん。十死一生、これが、剣道の奥儀じゃ」
「よく心得ております」

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直木三十五

【南国太平記】

 八郎太が、やがて、この宝燈の中へ消え去るべき自分だとも思ったり――或いは、もう一度この土の上で、同じように合掌して、歓喜に祈る自分の姿を想像したり――十死一生の勝負だとは信じていたが、自分の死ぬということが、少しも恐ろしくなく、胸を打つ程の想像も湧いて来なかった。自分の、包囲されて斬られるところを想像したが、人の斬られたのを見る程の感じもなかった。


一人が
「師匠っ、うまいぞっ」
 と、称めた。
「吾等、大悟一番、生死の念を 放擲 ほうてき して、夕立の中へ、駈込むのだのう。濡れまいとするから、押合いになるが、十死一生と観ずれば、夕立何物ぞ」
 そう叫んだ途端、格子が開いた。二三人が、一時に
「誰だっ」
 と、怒鳴って、振向いた。

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Last updated : 2024/06/28