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自由闊達/自由豁達
じゆうかったつ |
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作家
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作品
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折口信夫 |
【橘曙覧評伝】
若し、年代順に此歌が並んでゐるとすれば、人の生活情調なり、表現なりと言ふものは、一様に見るべきものではない。今述べたやうな近古以来の凡庸調に遊んでゐる人が、かうした古風を超えて、近世の感覚を衝くやうな姿を迸らす。かと思ふと、先の「きのふまで」や、後にあげる「今も世に」「髪白く」の様な自由闊達であるが、稍近代に泥み過ぎるかと思はれるものも歌ひ上げると謂つた、種々の様態を示すのである。だが、此歌は、もつと歌人としての内容が整うてからの作物でないかと思ふ。
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岸田國士 |
【述懐】
体質については、あまり専門的なことは言へないが、ともかく、先天的にも後天的にも、一般に恵まれた体質のものは少く、どこかに欠陥があることは想像に難くない。しかし、生活の面からみると、私の観察によれば、日本人は、生れ落ちるから、常に、非常な無理を重ねるやうな生活を強ひられ、健康の上から避けた方がよいことを平気で繰り返し、精神的にも、なにかしらに絶えず脅かされ、自由闊達の気質に乏しく、神経が異常に尖り、なにごとにも焦ら立ち易く、人が集れば楽しいことより不愉快な目に遭ふことが多く、なにによらず、手数と手間がかゝりすぎ、遠慮、我慢、泣き寝入、味気なさが、生活の隅々を覆つてゐる。これをひと口に言へば、不必要に「疲れる」要素が生活のなかに満ち満ちてゐるのである。そして、その上、われわれは、「休む」といふことをほんたうに実行しない。「休む」時間に休まうとしない、或は休む方法を知らない同胞のすがたを、なんとみるかである。
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