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女尊男卑
じょそんだんぴ |
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作家
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作品
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岸田國士 |
【道遠からん 四幕 ――または 海女の女王はかうして選ばれた――】
シゲ 以前は、それが仕来りだつた。近頃はどうでもよくなつたんだ。万事略式でいゝらしい。
ユラ さういふわけか。話にや聞いとつたが、うちの神さんも、二、三度、やるにややつたらしい。若い時分に……。
シゲ 水を吐かされたか?
ユラ 相手に余計吐かせた組さ。だが、この野蛮な風習は、なんとかせんと、困るな。
シゲ 風習を改めるくらゐ困難なことはないよ。早い話が、誰でも云ふ通り、この村の女尊男卑も、まつたく時代錯誤だからなあ。まづ、それから手をつけにやならんよ。
ユラ 男が寄ると、おほかたその話だ。しかし、問題は、それが輿論の力にならんことだ。
シゲ 女尊男卑、結構。いや、表面だけでさういふ観察を下すのは間違ひだとぬかすやつが、男のなかにゐるから厄介なんだ。
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白鳥庫吉 |
【倭女王卑彌呼考】
又卑彌呼の嗣者壹與が十三歳にして女王となりしは、必しも之を卑彌呼の宗女たりし門閥上の關係にのみ因れるものと見るべからず。之を皇朝の例に鑑るに、二、三歳の皇女にして齋王となれるものありき。壹與が十三歳にして王統を繼ぎしも、必ず此宗教的理由に因るものと解せらる。論者若し我が國の古俗に女酋多きの故を以て、女尊男卑は我が國上代の風俗なりしと推斷せば、大なる謬見なり。『魏志』倭人傳に
其俗國大人皆四五婦、下戸或二三婦、婦人不淫不妬忌。
とあるによりても、我が古俗にて婦女は貞節を守り、其夫に從順なりしを察すべし。
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福田英子 |
【妾の半生涯】 新聞社の前にも見物人山の如くなれば、戸を閉じて所要ある人のみを通す事としたるに、門外には重井万歳出獄者万歳の声引きも切らず、花火は上る剣舞は始まる、中江先生は今日は女尊男卑なり、君をば
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宮本百合子 |
【男女交際より家庭生活へ】
私は先ず、相当な年齢に達した二人の青年男女に眼をつけましょう。そして、彼等の生活に対する態度、恋愛、結婚に対する見解、並に、親子の感情、生活を追究して見ようと致します。若し、東洋の女性が不当に圧迫せられ、退嬰した状態を、男尊女卑と云うならば、確に西洋の人間は、女尊男卑であると云えましょう。まして、米国人は、その点を、特に強調して伝えられていると思います。 |
吉川英治 |
【新書太閤記 第十分冊】
「見たか、皆の者」秀吉は、そのあとで、近習や小姓たちへ云った。 「あれが男であったら、そちたちは、やがて於通の前に、上将の礼をとらねばなるまい。女子であって、倖せじゃよ」 かれの左右の若者ばらは、これは心外なり――というような顔をした。そして、明日にてもあれ、徳川勢と相撃つ日には、 |
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