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試行錯誤
しこうさくご |
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作家
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作品
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久保良英 |
【教育心理に關する現下の問題二三】
教育心理に於て相變らず中心の問題をなすものは、學習の法則である。一方に動物心理から發達したソーンダイクやワトソンの法則があり、他方に形態心理の見地から主張したコフカやオグデンの法則がありて、互に論爭をつゞけ、中には兩者の折衷を試みんと企てゝゐるものもある。ソーンダイクの學習の法則は準備、練習、結果の三つであるが、その中心をなすものは結果の法則である。即ち學習の最初の行動は試行錯誤によりて行はれ、その中で結果を持ちきたすものゝみが漸次に固定されて行き、遂に學習するやうになるといふのである。しかもこの法則はソーンダイクが最初述べたものから漸次に變化を被つて居るやうで、最近の彼の著作「人間學習」によると、可なりに彼の思想の發展を示して居るやうである。 |
フランツ・カフカ |
【処刑の話】
「司令官は、この処刑に列席なさるのでしょうか?」「わかりませんね。」 この突然の質問は具合が悪かったらしく、にこやかだった将校の顔がゆがんだ。 「ともかく、我々は急がなければなりません。ですから、まことに残念ですが、説明を省略しなければなりません。しかし、それは明日できますからね、機械を洗浄しているときにでも。――こいつ、とても汚れてしまうんですよ、唯一の欠陥、というやつでして――微に入り細にわたることは、後々。今は必要なことだけ。――囚人が『ベッド』に寝かされて、作動し始めると、身体の上に『まぐわ』が下りてきます。『まぐわ』は自動調節できるようになっていて、尖端がほんの少し、身体に触れるくらいの位置に来ます。調節が終わると、針金がまっすぐぴんと張られます。そしていよいよ、実行されます。素人は、見た感じ罰の違いに気がつかないでしょうね。『まぐわ』が同じように動いてるだけに見えるでしょう。振動しながら、尖端が身体を刺す。合わせて『ベッド』も震える。また、処刑執行がちゃんとなされているのか、どんなときでも確かめられるように、『まぐわ』はガラス製になっています。若干、技術的な困難がありましたが、針をガラスの中に入れることが、試行錯誤の末、可能になりました。苦労したかいがありました。こうやって今、ガラスの中をいつでも見られるのです。どんなふうに、判決が身体に刻み込まれるのか。もっと近づいて針をご覧になりませんか?」 |
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