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身体髪膚
しんたいはっぷ |
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作家
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作品
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正岡子規 |
【死後】
併し其苦痛も臭気も一時の事として白骨になってしまうと最早サッパリしたものであるが、自分が無くなって白骨許りになったというのは甚だ物足らぬ感じである。白骨も自分の物には違い無いが、白骨許りでは自分の感じにはならぬ。土葬は窮屈であるけれど自分の死骸は土の下にチャーンと完全に残って居る、火葬の様に白骨になってしまっては自分が無くなる様な感じがして甚だ面白くない。何も身体髪膚之を父母に受くなどと堅くるしい理窟をいうのではないが、死で後も体は完全にして置きたいような気がする。土葬も火葬もいかぬとして、それでは水葬はどうかというと、この水というやつは余り好きなやつで無い。第一余は泳ぎを知らぬのであるから水葬にせられた暁にはガブガブと水を飲みはしないかと先ずそれが心配でならぬ。 |
芥川龍之介 |
【虱】
中でも筆頭第一の Pharisien は井上典蔵と云ふ井上のやうに、虱を食ふ人間は、外に一人もゐないが、井上の反対説に加担をする者は |
中里介山 |
【大菩薩峠 農奴の巻 梶川少年から、頼もしい限りの言葉を聞かされた
「それはいけませぬ、面を灼くとおっしゃいましたね、梶川様、どういうことをなさるのか知れないが、それだけは思い留まりあそばせ、天の成せるものを、人の力で破壊することは 面を灼くと言ったために、夫人の心がいたく傷つけられたのを見て、梶川少年は取りつくろって申しました、 「拙者とても、 |
佐藤紅緑 |
【少年連盟】
「「どうして?」 と富士男はまえよりもやや明るい声でいった。 「それがおもしろいんだ、寝しなにこっそり砂糖をなめたらしいんだ、夜中に口のあたりをペロペロとなめるやつがある。びっくりして眼をさますと、大きなねずみが何匹も何匹も顔をなめている、かれがおっぱらうと、一匹が鼻の頭をかじって逃げたんだ。 とゴルドンが頭をひねった。 「 「そうだそうだ、ねずみふぜいに鼻をかじられては両親にすまないってんだね」 「からだをたいせつにして勉強するのが、孝行の第一歩だということなんだよ」 「そうか。どうりでカンカンおこって、だちょうの森へ山ねこをさがしにいったんだね」 「山ねこ」 と富士男がふしぎそうにいった。 |
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