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四通八達
しつうはったつ |
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作家
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作品
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夏目漱石 |
【自転車日記】
忘月忘日 人間万事漱石の自転車で、自分が落ちるかと思うと人を落す事もある、そんなに落胆したものでもないと、今日はズーズーしく構えて、バタシー公園へと急ぐ、公園はすこぶる閑静だが、その手前三丁ばかりのところが非常の |
太宰治 |
【ダス・ゲマイネ】
幻燈を見に行こうと |
坂口安吾 |
【安吾の新日本地理 飛鳥の幻――吉野・大和の巻――】
三輪から山の辺に沿うて盆地を北上すると天理教の |
寺田寅彦 |
【物理学と感覚】
たとえば一つの自動車を作ってその機械の自己の作用で向かう所にどこまでも向かわせる場合には便宜とか選択の問題は起こらぬ、車は行く所にしか行かぬのであるが、これが解析的な数学の行き方とすれば物理学のはそうでない。このような自動車のハンドルを握って四通八達の街頭に立っているようなものである。同じ目的地に達するのでも道筋の取り方は必ずしも一定していない。そこで径路の選択という問題が起こり、この選択の標準とするものはつまり人間の便宜である、思想の節約である。この際もし車掌がある一つの主義を偏執してたとえば大通りばかりを選ぶとするとそれを徹底させるためには時にはたいへんな
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野村胡堂 |
【銭形平次捕物控 槍の折れ】
伝六の殺された部屋は、四通八達の要路で、どこからでも入れますが、武芸自慢で、恐ろしく眼ざとい伝六が、二階から槍の折れを持出して来て、胸に突立てられるのを知らずにいるとは思われず、下手人はどうして凶器を持出したか、どうして伝六に近づいたか、それがいちばん興味のある疑問です。「 「へエ、―― 豊次郎は平次のために、行灯の位置まで指してくれます。 |
木村荘八 |
【東京の風俗】
徳川氏は覇業を達成すると、慶長八年に江戸の大土木を起し、日本橋もこの時その名と実の出来た歴史となつてゐるが、翌年(西暦一六〇四年)この橋を里程の基本として三十六町一里の塚を四方へ作り、日本橋からの東西南北を東海道、中仙道、その他甲州街道、奥州街道、下総街道……とした。以来旅立ちは七ツにしても八ツにしても「お江戸日本橋」から立つのが定となつた。徳川氏が、覇を成すや、土木を盛んにして江戸を中心に四通八達の道路を修正したのは、ローマが西欧大陸を定めるとまづ地域全体に渉つて道路を通したのと似てゐる。 東西実用主義の双へきと見て然るべきものだらう。家康は江戸城の堀を相するに当つて、その西に面する方角には堅固な石垣を築き上げることをしたが、東面は |
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