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小利小康
しょうりしょうこう |
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作家
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作品
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桑原隲藏 |
【支那史上の偉人(孔子と孔明)】
孔明の生涯の中で、私の尤も感激に堪へぬのは、その草廬三顧の時でなく、呉に使して孫權を説服した時でなく、又南蠻を征伐して、孟獲を七擒七縱した時でなく、實に成敗を度外に北伐を實行して、義務に殉じた時に在る。若し眼前の小利小康からいへば、蜀の險阻を守つて、北伐などを企てぬ方が得策かも知れぬ。併し此の如きは所謂瓦全で、蜀の自殺に外ならぬ。かくては決して天下後世の同情を買ふ事が出來ぬ。後世まで蜀に同情者の多い所以は、利害を離れて名分に殉したからである。西晉の陳壽の『三國志』には、魏を正統としてあるが、東晉の習鑿齒以來、之に反對して蜀を正統に推す學者が多く、南宋以後支那の歴史は、蜀を正統に、魏を閏位に置くことに一定した。
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