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笑止千万
しょうしせんばん |
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作家
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作品
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森鴎外 |
【伊沢蘭軒】
其十一の「養介」は茶山の行状に所謂要助万年であらう。わたくしは蘭軒が紀行に養助と書したのを見て、誤であらうと云つた。しかし茶山も自ら養に作つてゐる。既に油屋の元助を本介に作つてゐる如く、拘せざるの致す所である。容易に是非を説くべきでは無い。果して伯父茶山の言ふ所の如くならば、万年の否運は笑止千万であつた。茶山の |
夏目漱石 |
【こころ】
あなたがたから見て |
芥川龍之介 |
【邪宗門】
沙門はそれにまた一層力を得たのでございましょう。例の十文字の護符をさしかざして、「これはまた笑止千万な。南都北嶺とやらの |
織田作之助 |
【放浪】
何んや阿呆らしいと思ったが、しかし毛布を取り戻す勇気は出なかった。中毒で人一人殺したのだから、最悪の場合は死刑だとふと思いこむと、順平はもう一心不乱に南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と呟いていた。そんな順平を山菓子盗りは哀れにも笑止千万にも思い、河豚料理で人を殺した位でそうなってたまるものか、悪く行って過失致死罪……という前例も余り聴かぬから、結局はお前の主人が営業停止をくらう位が関の山だろうと慰めてくれ、今はこの人が何よりの頼りだった。
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坂口安吾 |
【帝銀事件を論ず】
もとより、戦後の窮乏荒廃であるから、誰が首相になっても、オイソレと埒のあくはずのものではないが、かかる兇悪犯といえども、罪は人間にあるのではなくて、物資の窮乏と現実の荒廃にあることぐらいは、常に当然認識がなくて、一国の首相などとは笑止千万と申さねばならぬ。犯罪あるたびに、わが政治のいたらざるを憂うるのが、まことの政治家であり、それぐらいの自覚もなしに一国の政治をとるなどとは言語道断と申さねばならぬ。
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牧野富太郎 |
【植物知識】
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宮本百合子 |
【獄中への手紙 一九四〇年(昭和十五年)】
こんな収入でそれこそハンド・トゥ・マウスで、すべて経費だわ、生きて、考えて、書いてゆくためのすべて経費だわ。これは一目瞭然ですが、税務署はこの真理が通用しません。それだけの金を得るための何かが別にあるように思うのですから、私は本代よ、たった三百円の本で、仕事が出来るでしょうか、笑止千万ですが、マアそんなものです。そこから基礎控除を五百円とりのぞくのです、私のような自由職業は乙種事業というの。それでもまだ納税最低の五百円よりはすこし多いから、いくらか払うわけです。作家なんて全く何万という収入があればそれは経費をわけられますが、さもなくては経費なんて実にこまるわけですね。だからY・Nはいつか税務署とケンカしたのです、あの小説をかくにはわざわざ南洋迄行ったのですからって。
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北大路魯山人 |
【知らずや肝の美味】
さかなの中で魚体も美味い、臓物全部いずれも美味い、腹子がまた格別美味いというのは、はもだけである。かわはぎの魚体は、さまで美味いとは言い難いが、しかし、その肝に至っては並々ならぬ特別の美味さを |
吉川英治 |
【三国志 赤壁の巻】
「無駄だ。巧言を止めろ。われも幼少から兵書を読み、「いよいよおかしい。いや笑止千万だ。それほど、 |
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