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焦心苦慮
しょうしんくりょ
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作家
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作品
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【卵塔場の天女】
しかるにしかる処、何が何とあろうとも明日の演能に、今夜までおいでのない法は断じてない、ただ捜せ、捜すと極めて、当地第一の料亭、某楼に、橘八郎先生歓迎の席を設けて、縉紳貴夫人、あまた、かつは主だったる有志はじめ、ワキツレ囃子方まで打揃い、最早着席罷在る次第――開会は五時と申すに、既に八時を過ぎました。幹事連の焦心苦慮
偏に御賢察願いたい。辛うじて御当家、お内儀、御新造と連立って、公園から、もみじ見物――
という、そのお悦さんは、世話狂言の町家の女房という風で、暖簾を隔てに、細い格子に立って覗いている。
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【霜凍る宵】
「三野村さんはあってもお園さんは、あんたはんも好きやった。三野村さんの死んだあとは、あんたはんのところに行く気やったのどすやろ」と一口いったことを思ってみても、女の底意は察することが出来るのである。私は、それを思うにつけても、毎度近松の作をいうようであるが、「冥途の飛脚」の中で、竹本の浄瑠璃に謡う、あの傾城に真実なしと世の人の申せどもそれは皆僻言、わけ知らずの言葉ぞや、……とかく恋路には虚もなし、誠もなし、ただ縁のあるのが誠ぞやという、思うにまかせぬ恋の悲しみの真理を語っている一くさりを思い合わせてふっとした行きちがいから、何年にも続いて、自分の魂を打ち込んで焦心苦慮したことがまるで水の泡になってしまったことを
慨いても歎いても足りないで私はひとり胸の中で天道を怨みかこつ心になっていた。
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Last updated : 2024/06/28