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春寒料峭
しゅんかんりょうしょう 春に寒さがぶり返し、肌寒いさま。[類義語]春風料峭
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作家
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作品
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永井荷風 |
【 断腸亭日乗 断膓亭日記巻之二大正七戊午年 】 三月二日。風あり。春寒料峭たり。終日炉辺に来青閣集を読む。夜少婢お房を伴ひ物買ひにと四谷に徃く。市ヶ谷谷町より津ノ守阪のあたり、貧しき町々も節句の菱餅菓子など灯をともして売る家多ければ日頃に似ず明く賑かに見えたり。貧しき裏町薄暗き横町に古雛または染色怪しげなる節句の菓子、春寒き夜に曝し出されたるさま何とも知れず哀れふかし。三越楼上又は十軒店の雛市より風情は却て増りたり。 |
種田山頭火 |
【 松山日記 】 三月廿四日 晴。 早起、まづ考へる、――酒を慎むべし、酒を味ふべし。 |
大町桂月 |
【 久地の梅林 】 あはれや、庭の梅三四本、何も肥料をやらざれど、春くれば、花を著く。鶯も來り鳴く。裸男、窓の内にて、之を聽いて、獨り樂しみ居りしに、『今日は』とて、十口坊來たる。午食を共にして、一二時間雜談に過ごしけるが、十口坊曰く、『梅の時候になりぬ。何處かへお伴申さむ。さるにても梅は何處が好きか。教へ給へ』といふに、裸男得意になり、『花といへば櫻、花見といへば、櫻を見にゆくことをいふ。梅も、花は花なれども、梅を見にゆくことを花見とは云はずして、梅見といふ。又探梅とも云ふ。この探梅の探の語が面白し。探るは、活動的也、又奮鬪的也。櫻の咲く頃は、春風駘蕩、猫も杓子も浮れ出す。さるに、梅花の頃は、春寒料峭たり。霜柱もあれば、雪さへ降る。梅を探るには、寒風と戰はざるべからず、雪と戰はざるべからず、泥濘と戰はざるべからず。 |
井上円了 |
【 南半球五万哩 】 十月十五日(日曜)、晴れ。暁窓、春寒料峭を覚ゆ。
船衝二碧浪一向二南端一、雲宿亜然州角巒、日左二北天一光不レ遍、春風料峭昼猶寒。
終日、雲波のほかに目に触るるものなし。
(船はみどりの波をおしわけて南アメリカの南端に向へば、雲のわだかまる |
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