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春風駘蕩
しゅんぷうたいとう |
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作家
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作品
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太宰治 |
【新釈諸国噺】
「そうとも、そうとも。」男はここぞと強く「あいあい、」と女房は |
織田作之助 |
【勝負師】
相手の坂田もそれに輪をかけた脱俗振りで、対局中むつかしい局面になると、「さあ、おもろなって来た。花田はん、ここはむつかしいとこだっせ。あんたも間違えんようしっかり考えなはれや」と相手をいたわるような春風駘蕩の口を利いたりした。 けれども、対局場の隣の部屋で聴いていると、両人の「ハア」「ハア」というはげしい息づかいが、まるで真剣勝負のそれのような凄さを時に伝えて来て、天龍寺の僧侶たちはあっと息をのんだという。それは二人の勝負師が無我の境地のままに血みどろになっている瞬間であった。 |
坂口安吾 |
【閑山】
木戸として特に規定の金額がないから、金銭を支払ふ者は甚だ稀で、通例米味噌野菜酒等を木戸銭に代へ、一族ひきつれて観覧にあつまる。演者はただひたすらに芝居を楽しむといふ風で、寒気厳烈の雪原とはいへさながらに春風駘蕩、「三年さきに勘平の男前の若い衆はどうなすつたね。女の子が夢中になつたものだつたが、達者かね」
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辰野隆 |
【浜尾新先生】
第一に、浜尾先生の顔はいつ見ても春風駘蕩で、その慈眼には子弟を愛する温情があふれるほど湛へられてゐたのに、銅像の顔には、かすかな笑ひの裡に、専制的な意志と皮肉な冷やかさが潜んでゐる。第二に、銅像のポオズが、未だ嘗て僕等が昔の先生に於いては一度も見たことのない、脚を組んで手で頬を支へた姿勢なのである。
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佐藤紅緑 |
【ああ玉杯に花うけて】
久保井校長のつぎにきた熊田校長というのはおそろしく厳格な人であった、久保井先生は温厚で謙遜で中和の人であったが、熊田先生は
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横光利一 |
【旅愁】
「いったい、君はそれほど威張れることを、無断でしたのか。」「僕は婦人に対してだけは、むかしから いくらか葡萄酒の廻りもあってつい矢代も鼻息が荒くなった。< |
宮本百合子 |
【長崎の一瞥】
護法堂の |
甲賀三郎 |
【徹底的な浜尾君】
然し、こういった無色透明の態度や、鋭ど過ぎる頭は、往々余裕を欠くもので、そういった嫌いは若干浜尾君にもあったようである。だから浜尾君をよく知らないものは、彼から春風駘蕩たるものを感ずるよりは、秋霜烈々たるものを感ずる事が多かったらしい。私がここに浜尾君が非常に親切で、且つ世話好きな半面を持っていたといったら、意外に感ずる人があるかも知れない。
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種田山頭火 |
【旅日記】
今日も晴れて風が吹く。今井浜は伊豆舞子とよばれるだけあつて海浜がうつくしい。 行程三里弱、午前中に谷津の松木一郎君を訪ねる、一郎居は春風駘蕩だ、桜の花片が坐敷へ散り込む。 メロン、トマトを御馳走になる、それは君の手作りだ、内湯の御馳走は何より。 |
林不忘 |
【魔像 新版大岡政談】
ポンと投げて渡したふきんが、右近の顔に当たる。そいつを |
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