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取捨選択
しゅしゃせんたく |
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作家
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作品
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坂口安吾 |
【意慾的創作文章の形式と方法】
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小出楢重 |
【めでたき風景】
構図は取捨選択が勝手次第であるが題材はその範囲はなはだ狭いものである。風景画の如く広く自然界に向かう如く無尽蔵な題材は得られない。つまり主として室内における仕事である。座右の何物か以外には描くべき何物もないことさえある。ことに下宿屋の二階の四畳半で暮していたりすると茶色の壁と、チャブ台一ツ、火鉢、本箱でおしまいである。いかにマチスでもこの光景を見ては嘆息するだろう。
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宮本百合子 |
【貧しき人々の群】
貧しい者共は、盆の遊びを繰越して、金も貰わないうちから買いたい物の取捨選択に迷い、
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下村湖人 |
【現代訳論語】
先師がいわれた。――「無知で我流の新説を立てる者もあるらしいが、私は絶対にそんなことはしない。私はなるべく多くの人の考えを聞いて取捨選択し、なるべく多く実際を見てそれを心にとめておき、判断の材料にするようにつとめている。むろん、それではまだ真知とはいえないだろう。しかし、それが真知にいたる |
岸田國士 |
【新劇界の分野】
これ以外に、更に分類のし方もあると思ふが、これら様々の傾向から生れる作品、舞台に接して、その優劣を批判し、好悪を定め、取捨選択を行ふのは世人の勝手である。単に無責任な泥の塗り合ひによつて、その何れにも幻滅を感じない用意が必要である。
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谷譲次 |
【踊る地平線 長靴の春】
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戸坂潤 |
【世界の一環としての日本】
この頃の官庁の記者クラブの記者は大体に於て官庁自身の発表をば掲示を待つようにして待っていなくてはならぬのではないだろうか。特に陸軍省海軍省の記者は大部分単なるラウドスピーカーたるに止まっているように想像される。記者は独自のニュースを手に入れることを許されないばかりでなく、発表のニュースの取捨選択の権利さえ、遺憾ながら持っていない。少しでも余計に報道することが必要だからだ。かくて新聞紙は重要ニュースは官庁のディクテーションに俟つ他ないということになる。
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豊島与志雄 |
【野ざらし】
「仕事を見付けるということも大切でしょうが、それよりも、何をするかという、その何かを見出すのが、更に大切ではないでしょうか。誰にでも、何でもやれるものではないでしょう。先ず何をやるか、それからきめておいて、云わば生活の方向をきめておいて、それから初めて仕事を探すべきでしょう。そうでないと、どんな仕事がやって来ても、取捨選択に迷うばかりで、手が出せやしませんからね。」
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柳宗悦 |
【民藝四十年】
美術館であるからには、どこまでも品物の美しさを主にした立場をとるのが当然である。物の存在価値は美的本質によるのであって、他の要素はこれに比べて二次的のものと思われる。丁度人間の存在価値が「善」とか「聖」とかの本質に依るのと同じである。これに比べるなら「富」や「力」の如き二次的なものであろう。それ故私たちは美しいものだけを列べる。品物の取捨選択は当然きびしい。これはおそらく民藝館の持つ最も大きな特色の一つとなるであろう。不思議だがまだどこでもこれを充分に試みたことがない。
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