|
■このサイトに登録されている四字熟語を検索します。平仮名での検索や一文字からの検索、絞り込み検索などもできます。
寸善尺魔
すんぜんしゃくま |
|
作家
|
作品
|
---|---|
太宰治 |
【ヴィヨンの妻】
けれども、こうして手短かに語ると、さして大きな難儀も無く、割に運がよく暮して来た人間のようにお思いになるかも知れませんが、人間の一生は地獄でございまして、寸善尺魔、とは、まったく本当の事でございますね。一寸(いっすん)の仕合せには一尺の魔物が必ずくっついてまいります。
|
幸田露伴 |
【風流仏】
荘厳(しょうごん)端麗あり難き実相美妙(みみょう)の風流仏(ふうりゅうぶつ)仰ぎて珠運はよろ/\と幾足うしろへ後退(あとずさ)り、ドッカと坐(ざ)して飛散りし花を捻(ひね)りつ微笑(びしょう)せるを、寸善尺魔(すんぜんしゃくま)の三界(さんがい)は猶如(ゆうにょ)火宅(かたく)や。珠運さま珠運さまと呼声(よびごえ)戸口にせわし。
|
岡本綺堂 |
【半七捕物帳 仮面】
大切な御品を発見した以上、何事を差しおいても其れを取り戻す工夫をしなければならないのに、うかうか見過ごしてしまうとは余りの手ぬかりである。寸善尺魔(すんぜんしゃくま)の譬(たと)えで、万一きのうのうちに他人の手に渡ってしまったらどうするか。
|
佐藤紅緑 |
【少年連盟】
人生はつねに寸善尺魔(すんぜんしゃくま)である。富士男とゴルドンが、ドノバン一派(ぱ)に対する善後策(ぜんごさく)を考えだすひまもなく、不幸な分裂(ぶんれつ)が思いがけなく、その晩におこった。
|
|