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大死一番
だいしいちばん |
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作家
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作品
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三木清 |
【語られざる哲学】
第二の思想を私は素直という言葉で現わそう。素直とは謙虚なそしてそれゆえに剛健な心の特質である。そして運命の前にどこまでもへりくだって絶対に他を信頼する心、自由の獲得のためにはあくまで戦って大死一番して後甦るの工夫を忘れない剛健な心、それらに対してのみ救済の完成と自由の完成とは存在する。安静と活動との美しい調和は素直な心においてのみ成就する。
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石川三四郎 |
【浪】
入獄の時は、同志山口孤劍君と一しよでした。『父母を蹴れ』といふ山口の論文が告發されて、それが二人に何ヶ月かを食はしたのです。東京監獄に行くと勿論二人は引き離されました。眞つ暗なブタ箱から、やがて夜具を抱へて獨房に入れられ、後からガチャンと鍵をかけられた瞬間の氣分といふものは、まつたく『大死一番』といふ心境、または『一切他力』の實感を、體驗させられるのでありました。窓は高くて外は見えず終日終夜面壁の修業です。
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吉川英治 |
【宮本武蔵 地の巻】
武蔵は胸のまえで、「さ、案内しよう」 促すと、 「いや、もう会ったも同じでござります。会いますまい」 「なぜじゃ?」 「せっかく、大死一番して、かように生れ 「ああ、わかった」 「多くを申し上げないでも、ご推量くださいませ |
吉川英治 |
【私本太平記 黒白帖】
おそらくは、そのこれまでか と、大死一番の死を観ておられたことと思う。 たとえ、大業ツイニ成ラズ――の御無念はあったにしろ、死んでも |
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