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大胆不敵
だいたんふてき |
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作家
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作品
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坂口安吾 |
【狼園】
私達の面前へ現れた少女はその訝しげな視線によつて先づ我々を交互に焼けつくやうに凝視め続けた。その眼は次第に大胆不敵な光りを加へ、その視線が私の顔に向けられた時には、恰も眼光が次第に膠着するもののやうな執拗な厚みを感じたほどであつた。少女は全く無言であつた。突然二九太は少女の前へ進んでいつた。コップに酒をつぎそれを突きだしながら激しい視線で少女を凝視めた。
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織田作之助 |
【聴雨】
彼の棋風は、「坂田将棋」といふ名称を生んだくらゐの個性の強い、横紙破りのものであつた。それを、ひとびとは |
菊池寛 |
【川中島合戦】
時正に秋も甲の名将 |
萩原朔太郎 |
【日清戦争異聞(原田重吉の夢)】
「中隊長殿! 誓って責務を遂行します。」と、漢語調の軍隊言葉で、 |
野村胡堂 |
【楽聖物語】
今世紀の初頭から第一次欧州大戦前まで、最も大胆にして革命的な音楽家として「法悦の詩」と「プロメテウス」はその代表作で、幸いビクターにストコフスキーの指揮で入っている(七五一五―八)。 |
岸田國士 |
【ある夫婦の歴史】
「僕には言はないね。むろんもう、どつかで見せられてるだらうがね」こんな会話の間に、夫婦の気持は別々な方向に動いていつた。夫の達郎は、ロベエル・コンシャアルのタンゲイすべからざる行動を追ひ、妻の真帆子は、志村鈴江の大胆不敵な態度に引きかへて、自分の影の薄さ、夫への勝算歴然とした抗議さへ控へたくなるやうな心の弱さを、歯がゆく思ふのであつた。 |
中谷宇吉郎 |
【茶碗の曲線 ――茶道精進の或る友人に――】
弟は大分苦しんでいたらしいが、研究がまとまらないうちに今から考えてみると、これはずいぶん大胆不敵な研究にとりかかったものである。もしこれが出来上ったら、或る時代に或る民族または部落民が持っていた精神文化を数学的に規定出来ることになる。そんなことがやすやすと出来るはずがない。 |
島木健作 |
【黒猫】
私はすぐには眠れなかった。やはり彼奴であったということが私を眠らせなかった。そう意外だったという気もしなかったし、裏切られたという気もしなかった。何だか痛快なような笑いのこみあげてくるような気持だった。それは彼の大胆不敵さに対する
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吉川英治 |
【三国志 群星の巻】
「「…………」 陳宮には、それに返辞する勇気もなかった。 馬を隠して、しばらくの後、またそこへ戻って来てみると、曹操は、古廟の軒下に、月の光を浴びていかにも快よげに熟睡していた。 「……なんという大胆不敵な人だろう」 陳宮は、その寝顔を、つくづくと見入りながら、憎みもしたり、感心もした。 憎むほうの心は、 (自分は、この人物を買いかぶった。この人こそ、真に憂国の大忠臣だと考えたのだ。ところがなんぞ計らん、狼虎にひとしい大野心家に過ぎない) |
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