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大器晩成
たいきばんせい
作家
作品

正岡子規

【歌よみに与ふる書】

自己の本領屹然きつぜんとして山岳さんがくと高きを争ひ日月と光を競ふ処、実におそるべく尊むべく、覚えずひざを屈するの思ひ有之これあり候。古来凡庸の人と評し来りしは必ずあやまりなるべく、北条氏をはばかりて韜晦とうかいせし人か、さらずば大器晩成の人なりしかと覚え候。人の上に立つ人にて文学技芸に達したらん者は、人間としては下等の地にをるが通例なれども、実朝は全く例外の人に相違 無之これなく候。

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太宰治

【失敗園】

「僕は、孤独なんだ。大器晩成の自信があるんだ。早く毛虫に這いのぼられる程の身分になりたい。どれ、きょうも 高邁こうまい瞑想めいそうにふけるか。僕がどんなに高貴な生まれであるか、誰も知らない。」

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下村湖人

【次郎物語 第二部】

源次も竜一も不合格組だった。竜一は、誰に向かっても、
「全甲の次郎ちゃんでさえうからなかったんだから、僕がうからないのはあたりまえだい。」と言った。
 源次は、二度目なので、さすがに少々てれてはいたが、二三日すると、どこで覚えて来たのか、「大器晩成だよ」などと言って、けろりとしていた。

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永井荷風

【江戸芸術論】

加ふるに文化末年名古屋におもむくの途次親しく諸国の風景を目睹もくとし、ここに多年の修養おのずから完備し来りて、文政六年とし六十余に至り初めて富嶽三十六景図の新機軸をいだせり。これを以て見るも北斎は全く大器晩成の人にして、年七十に及んで初めて描く事を知りたりと称せしその述懐は甚だ意味深長なりといふべし。

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織田作之助

【六白金星】

六白金星一代の運気は、「この年生れの人は、表面は気永のやうに見えて、その実至つて短気にて些細なことにも腹立ち易く、何かと口小言多い故、交際上円満を欠くことがある。親兄弟との縁薄く、早くより他人の中にて苦労する者が多い。また因循いんじゆんの質にてテキパキ物事のはかどらぬ所があるが、生来忍耐力に富み、辛抱強く、一端かうと思ひ込んだことはどこまでもやり通し、大器晩成するものなり……」
 一字一句が思ひ当り、この文章がわづかに楢雄を慰めた。そして一晩掛つてこの文句を覚えることで、父に撲られた口惜しさがまぎれるのだつた。
 翌日から楢雄は何思つたのか「将棋の定跡」といふ本を読み耽つた。著者の八段は「運勢早見書」によれば、六白金星で中年を過ぎてから三段になつて大器晩成の棋師だといふことだ。

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久保栄

【イプセン百年祭講演】

一体、イプセンは大器晩成型の作家でありまして、たとえばゲーテは、もし三十で死んだとしても「ゲッツ」と「ウェルテルの悲しみ」を残して行ったわけで、しかも、この二つの作品は、同時代人を動かした傑作なのでありますが、

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岡本綺堂

【当今の劇壇をこのままに】

菊五郎吉右衛門も、今と大差なしでかたまってしまうだろうし、歌舞伎座幹部連もいずれも年配で、先が見えている、大器晩成顧客ひいきがいう栄三郎もチト怪しいものである。

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Last updated : 2024/06/28