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泰然自若
たいぜんじじゃく |
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作家
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作品
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新渡戸稲造 |
【ソクラテス】
弟子どもは声を励まして、「先生が何の罪もなくして死なれるのが残念です」というと、ソクラテスは |
泉鏡花 |
【文章の音律】
それで音律を忽せにして、眼にのみ見せようとするのは、文章ではないと思ふ。女房が借金取が來て仕樣がないといふと、亭主が借金取が來ても、泰然自若たりだといふと假定する。處で、此女房が眼に一丁字の無いもので、泰然自若の意味が分らなくても、其言葉で如何にも泰然自若たる處が表れてゐなければいけない。是が音律を忽にすべからざる點だと思ふ。無學の者でも、文章を聞いて其趣を捉へることの出來るやうに書くのが、文である。其れは一にまた音律の如何に依るのであると思ふ。
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岸田國士 |
【荒天吉日】
そこへ気がつくと、更にまた、初瀬に対する老人の気早な宣告が待ち設けた機会を逃すまいとして、さながら意気揚々と下されたらしくも思はれる。いづれにせよ、かうして対ひ合つてゐる老人とその息子の、なんと泰然自若たるものではないか! 今まで打ち沈んでみえた初瀬が、すると、急に顔をあげた。昂然として、額をあげたのである。 |
黒岩涙香 |
【血の文字】
判事は書記に差図を与え目科は警官と |
辰野隆 |
【書狼書豚】
然るに、鈴木君の『訳詩抄』が出来上つてから、改めて跋を読んで見ると、安らけき眠り、の上に、最もといふ二字がいつの間にやら加はつてゐるではないか。鈴木君の方が僕よりも遥に立派な書斎を持つてゐる以上、最も安らけき眠りの落ちつく先は知れ切つてゐる。此の二字のいきさつで、僕は遂に『昔の神々』から見放されてしまつたのである。若し火事が起つて君の蔵書を悉く焼き尽したら君は一体どうする、と僕は嘗て鈴木君に冗談半分に訊ねて見た。すると鈴木君は、その時弁慶すこしも騒がず、泰然自若として答へた。 ――必ず発狂して見せる。 |
伊丹万作 |
【雑文的雑文】
かくのごとく沈没が流行する時勢にあたつて、栄養不良の和製トーキーのみがひとり泰然自若としてろくであり得るわけはどう考えてもない。「日本にはろくなものが一つもない」ということを、かりに事実とするならば、その責任はいつたい何人が負うべきであろうか。だれかがそのうち、ろくなものをこしらえてくれるだろうとのんきに構えて、皆が皆、自分だけは日本人でないような顔をして「一つもない」をくり返していたのでは永久にろくなもののできつこはない。
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沖野岩三郎 |
【愚助大和尚】
所が孔子様は、(天、徳を |
豊島与志雄 |
【塩花】
「日本のビールは世界的なものですな。アメリカの兵隊も、これだけは讃美していますね。」そういうことから、戦争犯罪のことに及んでいって、猪首の人が、犯罪人としての通告を受けた人々について話をした。或る者は泰然自若として、顔色一つ変えなかった。或る者は蒼白になって、来客の前にも拘らず手の煙草を取り落した。或る者は渋柿をなめたようなしかめ顔をした。或る者は……。 |
久生十蘭 |
【ノンシャラン道中記 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻――】
お、これはいかん、とコン吉が、丸天井もつん抜けるような「 |
吉川英治 |
【三国志 出師の巻】
武士たちは大勢して、孟獲の縄尻を取り、立てと促すと、孟獲は無言のまま突っ立った。そして歩みだすときはじめて炬眼をひらいて、孔明の顔を睨みつけた。そしてなかなか泰然自若と刑の |
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