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多岐多様
たきたよう |
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作家
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作品
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萩原朔太郎 |
【ニイチェに就いての雑感】
ニイチェの著書は、おそらく人間の書いた書物の中で、最も深遠で、且つ最も難解なものの一つであらう。その深遠な理由は、思想が人間性の苦悩の底へ、無限に深くもぐりこんで抜けないほどに根を持つて居るのと、多岐多様の複雑した命題が、至るところで相互に矛盾し、争闘し、容易に統一への理解を把握することができないこと等に関聯して居る。
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三木清 |
【マルクス主義と唯物論】
かつて哲学はフランス革命に対する感激によって著しい進展を遂げたように、今はまたそれは何らかの仕方でマルクス主義と交わることによって、恐らく現在の無生産的なる状態を脱し得るであろう。マルクス主義はそれ自身多岐多様なる意味において語られる唯物論の長い歴史の列に属している。人々はこれに特に近代的唯物論の名を負わせている。このとき冠せられた近代的とは正確には何をいうのであるか。マルクス主義はそのいかなる構成の故に、そもそも唯物論として自己を規定するのであろうか。
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宮本百合子 |
【平坦ならぬ道 ――国民文学にふれて――】
文学が変化してゆく現実の底には、このような社会的な生活の感覚の推移、変化がその根本の動力となってゆく。文学の題材としてすぐそれが作品化されてゆくというのではなく、そのようにして変化してゆく生活の感情が、日本の文学の全歴史とそれぞれの作家の文学的経歴とに多岐多様な作用を及ぼして行って、その結果として文学は種々の変化と飛躍とを示してゆくわけなのである。
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長谷川時雨 |
【マダム貞奴】
そして、当然、夫の、重い人生の負担に対して、奴のお貞も片荷を背負わなければならない運命であった。漸く平静であろうとした彼女の人生の行路が、その時から一段 |
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