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拓落失路
たくらくしつろ
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作家
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作品
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【浮雲】 架棚の擂鉢が独手に駈出すやら、ヤッサモッサ捏返している所へ生憎な来客、しかも名打の長尻で、アノ只今から団子坂へ参ろうと存じて、という言葉にまで力瘤を入れて見ても、まや薬ほども利かず、平気で済まして便々とお神輿を据えていられる。そのじれッたさ、もどかしさ。それでも宜くしたもので、案じるより産むが易く、客もその内に帰れば髪結も来る、ソコデ、ソレ支度も調い、十一時頃には家内も漸く静まッて、折節には高笑がするようになッた。
文三は拓落失路の人、仲々以て観菊などという空は無い。それに昇は花で言えば今を春辺と咲誇る桜の身、此方は日蔭の枯尾花、到頭楯突く事が出来ぬ位なら打たせられに行くでも無いと、境界に随れて僻みを起し、一昨日昇に誘引た時既にキッパリ辞ッて行かぬと決心したからは、人が騒ごうが騒ぐまいが隣家の疝気で関繋のない噺、ズット澄していられそうなもののさて居られぬ。
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【家(下巻)】 実――お俊の父は、三吉とお雪とが夫婦に成ってから、始めて弟の家に来て見た。旧い小泉を相続したこの一番年長の兄が、暗い悲酸な月日を送ったのも、久しいものだ。彼が境涯の変り果てたことは、同じ地方の親しい「旦那衆」を見ても知れる。一緒に種々な事業を経営した直樹の父は、彼の留守中に亡くなった。意気相投じた達雄は、最早拓落失路の人と成った。
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Last updated : 2024/06/28