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踔厲風発
たくれいふうはつ
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作家
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作品
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【法窓夜話】
歳月流るるが如く、三十年は既に過ぎ去って、今や一箇の長老となりたるボーイス師は、一日議会を傍聴した。僧侶の身として何故にと怪しむことなかれ。これ彼がかつて培いたる栴檀の二葉が、今や議場の華と咲き出でたる喜びの余りである。昔街頭にマーブルを弄んだ貧児は、今や演説壇上満堂の視線を一身に集めている。踔厲風発、説き来り説き去って、拍手喝采四壁を撼かす時、傍聴席上の一老僧はソーッとハンケチをポケットから引出して目に押当てた。
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【運命】
景隆小字は九江、勲業あるにあらずして、大将軍となれる者は何ぞや。黄子澄、斉泰の薦むるに因るも、又別に所以有るなり。景隆は李文忠の子にして、文忠は太祖の姉の子にして且つ太祖の子となりしものなり。之に加うるに文忠は器量沈厚、学を好み経を治め、其の家居するや恂々として儒者の如く、而も甲を擐き馬に騎り槊を横たえて陣に臨むや、踔厲風発、大敵に遇いて益壮に、年十九より軍に従いて数々偉功を立て、創業の元勲として太祖の愛重する[#「愛重する」は底本では「受重する」]ところとなれるのみならず、西安に水道を設けては人を利し、応天に田租を減じては民を恵み、誅戮を少くすることを勧め、
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Last updated : 2024/06/28