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短褐孤剣
たんかつこけん |
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作家
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作品
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芥川龍之介 |
【木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)】
今や、跼天蹐地の孤児は漸くに青雲の念燃ゆるが如くなる青年となれり。而して彼は満腔の覇気、欝勃として抑ふべからざると共に、短褐孤剣、飄然として天下に放浪したり。彼が此数年の放浪は、実に彼が活ける学問なりき。吾人は彼が放浪について多く知る所あらざれども、彼は屡京師に至りて六波羅のほとりをも徘徊したるが如し。 |
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