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他力本願
たりきほんがん |
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作家
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作品
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坂口安吾 |
【我が人生観 (五)国宝焼亡結構論】
歴史的な記念物という意味に於ても、建築的にいつでも原型のまま復元できるだけの資料を後世に伝えることはできる筈である。こういう種類のものは、それが正確でありさえすれば、模型で保存するだけでタクサンだ。その原物を見せる手段すらもはばんでいる法隆寺の坊主などが論外であり、文化の為に戦うなら、こういう坊主と徹底的に戦うのが、専門家の専門家たるネウチなのだが、自ら坊主退治に戦うべき本分を忘れて、人が火事退治をしてくれるべきものという他力本願に依存しているから、日本の美学者だの歴史家などというものは、口に文化の美名を説き、金閣寺焼亡、政府の怠慢、妙なことを口走るが、私はどう考えても、政府の怠慢よりも、学者の怠慢、学者の頭の悪さというものではないかと思う。
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上司小劍 |
【ごりがん】
「年頃になつたから、家内を持たせる。年頃になつたから、片付けてやる。……それでよいのぢや。……生れようと思うて、生れるものはないし、死なうと思うて死ぬものもまア滅多にないのと「まア。……」と、妻は呆れてゐた。 |
小林一三 |
【アーニイ・パイルの前に立ちて】
もと日東紅茶の店は、進駐軍の図書室として花やかに輝く時、筋向うの喫茶カテイの洋館四階建は真暗である。四ツ角五階建名物食堂も真暗である。自力で無い、他人様のおなさけで、インフレ景気に有頂天になっている東宝には、その内部から他力本願の虚を衝いて、赤化を夢みる幻影が、スクリーンに映されんとしている。しかしながら、彼等は必ずや「アーニイ・パイル」の行届いた経営方式に驚倒し、その後塵を嘗めて、よちよちながらも学ばんとするに至るであろう。
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宮本百合子 |
【現代の主題】
資本主義の生産の形が、封建の諸関係のうちから生れたように、資本主義的な生産とそれによって形づくられた社会生活全般が矛盾だらけの不如意なものとなったとき、それは必ず社会主義へ発展せざるをえないという歴史の必然については、もういまさらいわれるまでもなくわかっている。そう思っているのが知識人のほとんど全部を占めているといえよう。それと同時に、その歴史の必然性、その原理はもうとっくにわかっているのだから、くりかえして論ずるのはもう結構だ。なにか見せてくれ。なにか新しいものを啓示して、新しい情熱をふき入れてくれ。そういう他力本願の心理的要求が瀰漫している。
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水上瀧太郎 |
【貝殼追放 「末枯」の作者】
その「生活の改造」とは、 |
喜田貞吉 |
【賤民概説】
「善人尚以て往生す、 |
国枝史郎 |
【銀三十枚】
だが人間というものは、そのドン底まで追い詰められると、反動的勇気に駈られるものであった。ある日私は自分へ云った。「基督を求めるには及ばない。他力本願は卑怯者の手段だ。自分のことは自分でするがいい」 で私はすることにした。 そこで私は「左様なら」と云った。 |
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