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他流試合
たりゅうじあい
作家
作品

夏目漱石

【こころ】

私はちょうど他流試合でもする人のようにKを注意して見ていたのです。私は、私の眼、私の心、私の 身体からだ、すべて私という名の付くものを五隙間すきまもないように用意して、Kに向ったのです。罪のないKは穴だらけというよりむしろ明け放しと評するのが適当なくらいに無用心でした。

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永井荷風

【小説作法】

読書と思索とは剣術使の毎日道場にて竹刀しないを持つが如く、観察は武者修行にでて他流試合をなすが如し。読書思索のみに耽りて世の中人間実地の観察を怠るものはやがて古典に捉はれ感情の鋭敏をかくに至るべく、 おのれが才をたのみて実地の観察一点張にて行くものはその人非凡の天才ならぬ限り大抵は行きづまつてしまふものなり。

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内藤湖南

【応仁の乱に就て】

 私は應仁の亂に就て申上げることになつて居りますが、私がこんな事をお話するのは一體他流試合と申すもので、一寸も私の專門に關係のないことであります、が大分若い時に本を何といふことなしに無暗に讀んだ時分に、いろいろ此時代のものを讀んだ事がありますので、それを思ひ出して少しばかり申上げることに致しました。それももう少し調べてお話するといゝのですが、一寸も調べる時間がないので、頼りない記憶で申上げるんですから、間違があるかも知れませぬが、それは他流試合だけに御勘辨を願ひます。

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坂口安吾

【花咲ける石】

 御家人の悪太郎ども、この大看板をかかげておいて尾ヒレをつけて吹聴したから、腕に覚えの連中が腹をたてた。毎日のように五人十人と他流試合につめかける。相手になる房吉は、事情を知らないから、さすがに江戸の剣客は研究熱心、勉強のハリアイがあると大いに喜んで、毎日せっせとぶん殴っては追い返す。

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林不忘

【魔像 新版大岡政談】

左官の下塗したぬり職人などの中には、どうかすると、下町の女をほろりとさせるようないきなやつが少くないし、それに、この下谷の壁辰ほど同業に名が知れていると、左官武者修行むしゃしゅぎょうの格で諸国を流れている風来坊ふうらいぼうが、こて一つどんぶりへ呑んで他流試合の気で飛び込んで来たり、または遠国から仲間の添え状を持って思いがけない弟子入りが来たりするので、母の死んだあと、父のために一切の切り盛りをしている娘のお妙は、どんな人が留守にきても、一応上げて待たしておくようにと、ふだんから父の壁辰に 命令いいつけられているのである。それに、壁辰は御用も勤めている。

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高村光雲

【幕末維新懐古談 仏師の店のはなし(職人気質)】

 それで、腕はすぐれていながら、操行みもちのおさまらぬ職人の中などに、どうかすると、のみと小刀を風呂敷ふろしきに包み、「彫り物の武者修業に出るんだ」といって他流試合に出掛けるものがいたもんです。

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倉田百三

【光り合ういのち】

 一つには教育というものの精神の如何に大事であるかということ。すなわち自由と創造と闘いとの気魄のない官学風の教育の無力であること。
 二つには広い世間を見て他流試合をしなくてはいけないこと。つまり井中の蛙となって、自己陶酔してはいけないということ。
 この経験は私の志をこの山間の中学から、遠く天下に向かって解放してしまった。

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中里介山

【大菩薩峠 甲源一刀流の巻】

机竜之助は甲源一刀流から出でて別に一派を開かんとする野心がある、甲源一刀流から言えば危険なる謀叛人むほんにんで、それが同流の最も手筋てすじよき宇津木文之丞と組み合ったのだから、他流試合よりももっと皮肉な組合せで、故意か偶然か世話人の役割を不審がるものが多かったくらいだから、ああこれは遺恨試合にならねばよいがと老人たちは心配しているものもあったのです。

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Last updated : 2024/06/28