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多趣多様
たしゅたよう |
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作家
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作品
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夏目漱石 |
【思い出す事など】
けれども道中は、道草を食うべく余儀なくされるだけそれだけ多趣多様で面白かった。その
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有島武郎 |
【惜みなく愛は奪う】
何という多趣多様な生活の相だろう。それはそのままで尊いではないか。そのままで完全な自然な姿を見せているではないか。若し自然にあの
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折口信夫 |
【「さうや さかいに」】
対立したものは、形式が似てゐて、どの点かに違つた屈折が出来て来る。さう言ふ中でも、敬語の「たまふ」の形式を裏返したやうな「たまふ……たまふる・たまふれ・たまへ」などは、古代から中世に渉つて行はれたものであり、此対立の考へ方が、他人――貴人の事を言ふ場合と、自分の事を言ふ場合とはつきり区別するやうになつた。さう言ふ行き方が、語義の変化を容易に、多趣多様ならしめることになつたが、後には此豊富な裏返し機能によつて、言語表情を自由にすることを、重くは考へなくなつた。敬語と対話敬語の対立せぬもの、明らかに片方だけになつたもの、さう言ふものが殖えて来、其から敬語法と丁寧法との相違を敏感に感じなくなつて、どちらに意義を据ゑてゐるのだか訣らぬものが多くなつて行つた。
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柴田流星 |
【残されたる江戸】
読者よ、乞う吾儕の既に語りしところに顧み、江戸ッ児の天才が如何に多趣多様なるかを攷えたまえ、そして更に、かくも普遍的なかれらの趣味が、現代に適せぬ所以なく、畢竟はその埋もれて世に認められざるがために、漸く忘れ果てられたを頷きたまえや。
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