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知恵分別
ちえふんべつ
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作家
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作品
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幸田露伴
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【
五重塔
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十兵衛が何もかも捨てて辞退するものを斜に取って逆意地たてれば大間違い、とは思ってもあまり汝のわからな過ぎるが腹立たしく、四方八方どこからどこまで考えて、ここを推せばそこに襞襀が出る、あすこを立てればここに無理があると、まあ我の知恵分別ありたけ尽して我のためばかり
籌るではなく云うたことを、むげに云い消されたが忌々しくて忌々しくて随分堪忍もしかねたが、さていよいよ了見を定めて上人様のお眼にかかり所存を申し上げて見れば、よいよいと仰せられたただの一言に雲霧はもうなくなって、清しい風が大空を吹いて居るような心持になったわ、
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中里介山
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【
大菩薩峠 道庵と鰡八の巻
】
この途中、二人は、いろいろのことを話し合いました。人物の評をしてみたり、甲府以来の世間話をしたりしました。兵馬はこの人のいつも元気であって、好んで虎の尾を踏むようなことをして、屈託しない勇気に感服することであります。それで識見や抱負の低くないことも尊敬せずにはおられないところから、ふと自分が迷っている女の処分方もこの人にうちあけてみたならば、また闊達な知恵分別も聞かれはしないかと思いました。
そこで、思いきって一伍一什を南条にうちあけて、さてどうしたらよいものかと、しおらしくその意見を叩きました。
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中里介山
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【
大菩薩峠 不破の関の巻
】
前路より米友、後陣よりお角さんの一行が到着してみれば、道庵も、この苦境を乗り越すことができないまでも、苦衷を訴えることだけはできる。
米友が到着したのを見ると、道庵が米友の前へ走り出して、思わず掌を合わせました。
「友様、何とか知恵はねえか、お前の知恵で、何とかこの場を切り抜ける工夫はねえものか、後生だから頼む」
と言って道庵は、事の始終を米友に向って手短かに物語って、泣きついてみたものです。
暴力の場合には、米友に向って頼むということを言ったのは、道庵としても一再ではないけれど、知恵分別のために米友に泣きついたのは、これがはじめてでしょう。しかし、先生の頭で知恵分別に余ることを、米友の頭で解決しようとは無理です。結局、
「おいらも、どうしていいかわからねえ
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- このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。
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Last updated : 2024/06/28