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四字熟語  を     表示  件
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沈黙寡言
ちんもくかげん
作家
作品

長谷川時雨

【 九条武子 】

 シベリア線で、籌子夫人して武子さんが帰朝ときまったとき、訣別けつべつの宴につらなった良致氏は、黙々として静かにホークを取っただけで、食後の話もなく、翌日、出立しゅったつのおりもプラットホームに石の如く立って、
「ごきげんよう」
と、別れの言葉は、この一言だけだとある。

 良致さんという人が、この通り沈黙寡言な、哲学者かと思っていたらば、先日、ごく心やすくしていたという男の人が来て話すには、なかなか すみにおけない、白粉おしろいそでや胸にもつけてくる人だというし、またある人も、気さくなよいサラリーマンだといった。新婚のころは、特別に、そんなムッとした人にならざるを得ぬことがあったものとおもえる。世間からは花の嫁御よめごをもらって、日本一の果報男かほうおとこといわれたが、他人ではわからないものが、その人にとってないとはいえまい。

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佐藤紅緑

【 ああ玉杯に花うけて 】

「おまえも不良じゃないか」と叫ぶものがある。
 木俣はなにかいいつづけようとしたが頭を掻いて引込んだ。人々はどっとわらった。これを口切りとして二、三人の三年や四年の生徒があらわれた。
「校長に談判しよう」
「やれやれ」
「徹底的にやれ」
 少年の血潮は時々刻々に熱した。
「待てッ、諸君、待ちたまえ」
 五年生の小原こはらという青年は木馬の上に立って叫んだ。小原は平素沈黙寡言 ちんもくかげん、学力はさほどでないが、野球部の捕手として全校に信頼されている。肩幅が広く顔は四角でどろのごとく黒いが、大きな目はセンターからでもマスクをとおしてみえるので有名である、だれかがかれを評して馬のような目だといったとき、かれはそうじゃない、おれの目は古今東西の書を読みつくしたからこんなに大きくなったのだといった。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28