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長汀曲浦
ちょうていきょくほ |
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作家
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作品
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岡本かの子 |
【河明り】
汐時のすこし湿っぽい畳の小座敷で、社長は無事見学祝いだとか、何とか云っては日本酒の盃を挙げている。海の |
大町桂月 |
【常磐の山水】
舟を下りて、陸に上れば、夕顏觀音あり。觀音堂後をめぐりて、鵜の尾岬にいたる。松川浦の全景、悉く眼前に在り。長汀曲浦の觀、つぶさに其の美をつくせり。屏風の如く立ちかこめる磐城の山々、或ひは遠く、或ひは近く、秀色を送りて、一層の趣を添ふ。島の奇なることは、松島にくらぶべくもあらねど、屏風の如き山々と、長汀曲浦の觀とは、或ひは勝るとも劣らざるを覺ゆ。
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野上豊一郎 |
【エトナ】
其処へ到着するまで車はうねうねした坂道を唸りながら駈け登ったが、坂道を曲る度に展望が開けて、夕映の空を背景として斑らに雪を戴いたエトナの高峰が次第次第に高くなり、その裾野がイオニア海に滑り込んで幾つもの長汀曲浦を造っているのが瞬間ごとにより広く見晴るかせるようになって行くのが愉快だった。
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種田山頭火 |
【四国遍路日記】
雨中出立、そして雨中行乞(今日、牟岐町で、初めて行乞らしく行乞した)、雨が本降りになった、風が強く吹きだした、――八坂八浜を行くのである、風雨のすきまから長汀曲浦を眺めつつ急ぐ、鯖大師堂に参詣する、風で笠を吹きとばされ、眼鏡もとんでしまって閉口していたら、通りがかりの小学生が拾ってくれた、ありがとうありがとう、
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中里介山 |
【大菩薩峠 Ocean の巻】
「しかし、この九十九里が |
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