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独立不羈
どくりつふき
作家
作品

中島敦

【弟子】

 子路が他の所ではあくまで人の下風に立つを潔しとしない独立 不羈ふきの男であり、一諾千金いちだくせんきんの快男児であるだけに、碌々ろくろくたる凡弟子然ぼんていしぜんとして孔子の前にはんべっている姿は、人々に確かに奇異きいな感じをあたえた。事実、彼には、孔子の前にいる時だけは複雑な思索しさくや重要な判断は一切いっさい師に任せてしまって自分は安心しきっているような滑稽こっけいな傾向も無いではない。

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ロマン・ローラン
豊島与志雄訳

【ジャン・クリストフ 第五巻 広場の市】

 彼は十四、五歳のころ、ディーネルとたいへん親しかった(第二巻朝参照)。恋愛に先立つものでしかも恋愛をすでに含んでいる幼き友情を、彼はディーネルにたいしていだいていた。ディーネルもまた彼を愛していた。この内気で几帳面きちょうめんな大子供は、クリストフの狂暴な独立 不羈ふきの精神に魅せられてしまって、滑稽こっけいなやり方でそれをまねようとつとめていた。

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宮本百合子

【ジイドとそのソヴェト旅行記】

ジイドは、自分がコンゴーを観た観かた、どこでも、何にも目を奪われず、常に絶対に誠実であろうとする自己の主観的な常套にのみ固執し、それに意識を奪われて大局を見誤っている。彼の理解に従っての精神の独立 不羈ふきを護ろうとする、その態度を示す自己目的のために急であって、彼が他の場所でははっきり認めているかのようであった、現代の社会・文化対立の関係の中でソヴェトの現実的特質を評価してはいないのである。

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相馬愛蔵

【私の小売商道】

そこで私は取引の約束を無視したやり方に憤慨し今日限り品物を入れることをお断りすると通告し、かつ重大な取引上のことについて店主の指揮をうけずに無断で規則を破った私の店員に対し、かわいそうではあったが泣いて馬謖ばしょくを切ってしまいました。これはいかにも人情味のない頑固なやり方のようだが、私は店是というものを国の掟の如く峻厳なものにしておきたいという私の主義と、一つは前にも述べた如く人に縋らずに独立不羈で商売をやって行きたいという信念からであった。

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戸坂潤

【思想と風俗】

大隈伯の自由と云い福沢翁の実学と云い、いずれも半封建的な資本制日本の官僚的支配に対する反抗が、学問乃至教育の方針として具体化されたもので、官学的 アカデミーの標準から見れば、昇格以前の私立大学(専門学校)は確かに学究的な権威に於ては到底帝大の敵ではなかったのが事実だが、併しそれだけに一つの 独立不羈な生活意識に裏づけられていたので、単にブルジョア政界や財界に於てブルジョアジーの自信ある前進に沿うて進取の歩武を進めることが出来たばかり でなく、文学運動や文筆活動に於ても帝大の追随を許さぬものを示すことが出来た。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28