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当代随一
とうだいずいいち |
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作家
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作品
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岸田國士 |
【「抽斗にない言葉」】
序だから云ふが、水谷八重子は、新劇と新派劇の二た道から、巧みに「せりふ」のこつを会得し、今や、その領域に於て、当代随一の「せりふ」俳優たる資格を備へて来た。
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坂口安吾 |
【家康】
家康は十人並よりはよつぽど偉い人で、公平に判断しても当代随一の人傑であつたが、時代が先についてきたのでむしろ時代に押されて自分自身を発見して行つたやうなお人好しで鈍感でお目出度いところのある人であつた。
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久生十蘭 |
【顎十郎捕物帳 丹頂の鶴】
藤波友衛、南町奉行所の控同心。捕物にかけては当代随一、どのような微妙な事件でも、袋の中のものを探すようにやすやすと解く、一種の鬼才。
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谷譲次 |
【踊る地平線 血と砂の接吻】
窓通いの現場を発見されたのが面映(おもは)ゆかったのか、それとも、今後恋路の妨げをしないようにお世辞を使っとく必要ありとでも認めたものか、あの、私が夜中に窓をあけた翌日、ドン・モラガスが接近して来て言うには、彼の友達にベルモント――これは当代随一の闘牛家で全西班牙(スペイン)の国家的英雄――の弟子の弟子の又弟子か何かがあって、そいつを煽(おだ)ててうまく入場券を寄附させたから、どうだドン・ホルヘ、一つ日曜日の大闘牛へ行ってみないか、というのである。
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中里介山 |
【大菩薩峠 甲源一刀流の巻】
ジワリジワリと柔かな剣のうち測り知られぬ力が籠(こも)って、もしも当の相手が不遜(ふそん)な挙動をでも示そうものなら、その柔かな衣が一時に剥落(はくらく)して、鬼神も避け難き太刀先が現われて来るので、みている人すら屏息(へいそく)して手に汗を握るという。おそらくこの人は、その当代随一の剣であったにとどまらず、古今を通じての大名人の一人であったと信じておいてよかろうと思う。
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林不忘 |
【丹下左膳 こけ猿の巻】
作爺さん、それがさびしいらしい。たまらなくつらいらしい……。馬を彫らせては当代随一の作阿弥(さくあみ)――そういえば、いつかこの部屋で、隅にころがる半出来の馬のほりものを一眼見て、この老人の素姓を看破したのは、この蒲生泰軒だった。 |
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