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羽化登仙
うかとうせん
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作家
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作品
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【謡曲黒白談】
露西亜で革命党が爆裂弾を投げようが、日本で政府党が選挙に勝とうが、又は乗り換えを忘れようが、終点まで運ばれようが委細構わず、紅塵万丈の熱鬧世界を遠く白雲緬邈の地平線下に委棄し来って、悠々として「四条五条の橋の上」に遊び、「愛鷹山や富士の高峰」の上はるかなる国に羽化登仙し去るのである。
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【爆弾太平記】
ところで又、その医者というのが吾輩の親友で、鶴髪、童顔、白髯という立派な風采の先生だったが、トテモ仕様のない泥酔漢の貧乏老爺なんだ。そいつが吾輩と同様独身者の晩酌で、羽化登仙しかけているところへ、友吉の屍体を担ぎ込んで、何でもいいから黙って死亡診断書を書いてくれと云うと、鶴髪童顔先生フラフラの大ニコニコで念入りに診察していたが、そのうちに大声で笑い出したものだ。
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【砂がき】
就中、カリガリ博士がサーカスの馬車から逃げ出して病院へ歸る路すがらの風景とあの博士の歩き方は、歩くというより立つたま々で坂をずつと上つてゆく、羽化登仙とでも言ふ走り方は、もの慘いほどはつきり今でも眼の前に浮いて來る。參考のためのスケツチをこ々へ入れておかう。
夢を見てゐるのかも知れないが、近頃、夢を覺えてゐない。前の頃は寢牀へ入つて眠りつく前に、今夜もあすこへ行けるんだなと、ぼんやり怡しいあすこを考へながら、枕にしつかり頭を埋めたものだつた。あすこといふのがどこだか、いま覺めて思ひ出しても浮んで來ないが、なんでも恰しい場所で、うとうと眠りに落ちてゆく、あの羽化登仙の瞬間には、そのあすこが、昨夜のあすこだと、おぼろげに形をなしてゐるのだ、かういふ瞬間は、もう夢の入口らしいがこの頃はあの恰しい所へも遠くなつてしまつた。
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【思想と風俗】
類似宗教は偽似宗教で真性宗教でないという感じから、それだけですでに評判を悪くするに充分であるが、だが宗教を一つの伝染病と見做すなら、類似宗教こそ最も伝染力があるのが事実で、之こそ真性な宗教でなくてはなるまい。この真性宗教の効果は、単に阿片的なものに止まらず、殆んど青酸加里的性質を持っているので、単に魂を羽化登仙させるだけではなく、生命そのものを昇天させて了うのだが、この点は後に解説しよう。
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- このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。
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Last updated : 2024/06/28