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和魂漢才
わこんかんさい |
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作家
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作品
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桑原隲藏 |
【東西交通史上より觀たる日本の開發】
我が國體を保存しつつ外國の文化を攝取することは、我が國の建國以來の方針で、過去の長い歴史を通じて實行されて來た。我が國には古く和魂漢才といふ言葉がある。日本の精神を保持しつつ、外國(漢)の知識を攝取する意味である。この言葉は菅公から始まつたと傳へられて居るが、言葉は兔に角、言葉に現はされた主義は、菅公以前からも實行され、菅公以後も實行されて居る。國家も生物と等しく、適者が發展して行く。我が國が建國以來連綿として今日に至るまで、適者の位置に立つことが出來たのは、全くこの和魂漢才主義、若くはそれと同一の意味をもつべき和魂洋才主義の御蔭である。
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内藤湖南 |
【応仁の乱に就て】
其他やはり其當時の一種の信仰目的とでも申しますか、兎に角日本の道徳の經典といふやうなものが組織せられ掛けて來た事實があります。即ちかの菅公は和魂漢才と申されたと言ひますが、昔の貴族政治時代以來澤山ある學藝を、どれもこれも凡てを修養しなければ一人前の公卿なり縉紳なりになれない譯ですが、斯ういふ亂世で面倒な修養が出來なくなるに從つて、さういふものが或る一部分に偏る傾きが生じて來ました。
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