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夜目遠目
よめとおめ |
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作家
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作品
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芥川龍之介 |
【糸女覚え書】
一定(いちぢやう)どこの殿御の目にも二十(はたち)あまりに見えようず」などと、まことしやかに御器量を褒(ほ)め上げ候。なれども秀林院様の御器量はさのみ御美麗と申すほどにても無之、殊におん鼻はちと高すぎ、雀斑(そばかす)も少々お有りなされ候。のみならずお年は三十八ゆゑ、如何に夜目遠目とは申せ、二十あまりにはお見えなさらず候。
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岡本綺堂 |
【半七捕物帳 白蝶怪】
「実は昨晩、高田の四家町(よつやまち)まで参りまして、その帰り途に目白坂の下まで参りますと、寺の生垣(いけがき)の前に男と女が立ち話をして居りましたが、わたくしの提灯の火を見ると、二人ともに慌てて寺のなかへ隠れてしまいました。夜目遠目(よめとおめ)で確かなことは申されませんが、男は火の番の藤助で、女はむすめのお冬のように思われたのでございます。
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国枝史郎 |
【赤格子九郎右衛門の娘】
「いいや、ないね。通ったことはない」「それでもその時のお客というのがそれこそお前さんと瓜二つだがね」 「夜目遠目傘の中他人の空似ということもある」 「それじゃやっぱり人違いかねえ」 |
中里介山 |
【大菩薩峠 無明の巻】
「こいつは少し当(あて)が外れた!」やがてカラカラと大きな声で笑い出したのは、何か相当の獲物(えもの)を期待していたのに、ひっかかったのが一匹の雑魚(ざこ)に過ぎないと見たからでしょう。なるほど、夜目遠目で一見したところでは、米友は雑魚のようなものです。 「いいから通れ、通れ」 |
中里介山 |
【大菩薩峠 白雲の巻】
そうして、この少年は、夜目遠目のきく非凡な眼を以て、夜もすがらここに立番をして、一心不乱に七兵衛おじさんの来ることを期待していたのに、それが酬(むく)いられないことによって、この痛心の面(おもて)があり、その一心不乱のために、さしも喧囂を極めたマドロス騒動の一幕にも、振向かなかったものに相違ない。
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