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用心堅固
ようじんけんご |
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作家
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作品
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坂口安吾 |
【明治開化 安吾捕物 その五 万引家族】
花田は昼から酔っていた。そこへ野草が来た。花田は飲んでいるが、野草はお茶にも菓子にも手をふれないという用心堅固な人物。妙なグアイなところへ、ちょうど家にいて写真機をいじくっていた一也が珍客到来と二人を庭へひきだして撮影をはじめた。
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甲賀三郎 |
【計略二重戦 少年密偵】
仁科少佐はやがてヒラリと鉄柵を越えて、シムソンの邸の中に躍り込みました。鉄柵と云うのは、ホンの腰位の高さの煉瓦(れんが)の柱の間に、やはり同じ位の高さで張(は)り巡(めぐ)らしてあるので、飛越えるには大した造作はないのです。しかし、用心堅固の邸の中へ入るのは容易な事ではありません。仁科少佐にはどんな成算があるのでしょうか。
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岡本かの子 |
【夏の夜の夢】
歳子の兄の住む土地の一劃は、道路まで誰か個人の私有地になつてゐて、道の口々は柵門(さくもん)で防がれ、割合ひに用心堅固の場所だつた。女の真夜中の一人歩きもたいした心配はなかつた。
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長谷川時雨 |
【テンコツさん一家】
大きいおうるどみすがおとよさんといって学校の先生だった。中位(ちゅうぐらい)のおうるどみすも教師だった。下のミスも先生になりかけていた。お母さんだけが台所をしていた。この女ばかりの家は用心堅固で、貧乏が入りこまないようにしていた。大きいミスの名が通りものになって、おとよさんの家と呼んでいた。
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国枝史郎 |
【五右衛門と新左】
「ははあ然うか、これは驚いた。頓智のコツとそっくりだ。……頓智とは弱点を突くことさ。用心堅固の奴に限って沢山弱点を持っている。その弱点をギシと握り、チョイチョイ周囲(まわり)をつっ突くのさ。
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久生十蘭 |
【顎十郎捕物帳 蕃拉布】
階段の下は錠口になっていて、不時(ふじ)の攘夷派の襲撃にそなえるために、車びきの重い、土扉(つちど)が閉まり、出入のたびに、いちいち鍵で開閉することになっている。そういう用心堅固な座敷にスラスラと入りこんで来て、ほんの二三分のあいだに佐原屋を縊(くび)り殺し、土扉を開閉もせずに風のように出て行くなどという物理を超越したことが、人間の力で出来ようとは考えられない。 |
森田草平 |
【四十八人目】
そして、美作屋では、自分の生国(しょうごく)から取ったものだけに、気が指(さ)したのか、あらためて小豆屋(あずきや)善兵衛と名告って、扇子や鬢(びん)つけの荷を背負(しょ)いながら、日々吉良邸の内外を窺(うかが)った。が、同邸でも見慣れぬ商人と見れば、いっさい邸内へ入れぬようにして、用心堅固に構えている。その中を潜ってはいりこもうとするのだから、こちらの苦心はひととおりでなかった。
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黒岩涙香 |
【幽霊塔】
先生は遽てて「イヤ未だ消しては可けません、茲より奥には電燈がないのですから」余「猶だ此の奥が有るのですか」先生「無論です」とて先生の指さす方を見ると成るほど一方の壁に第二の鉄の扉が有る、斯うまで奥深く出来て居るとは実に用心堅固の至りだ、其のうちに先生は報酬の金を数え盡し隅の方の金庫へ納め、もっと嬉し相に頬笑みて「イヤ三千ポンドは大金です、実は私も取る年齢ゆえ、最早隠退したいと思い、
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