作品に出てくるものの数え方(助数詞)
 
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双
作 家
作 品
芥川龍之介
【神神の微笑】
悠々とアビトの裾(すそ)を引いた、鼻の高い紅毛人(こうもうじん)は、黄昏(たそがれ)の光の漂(ただよ)った、架空(かくう)の月桂(げっけい)や薔薇の中から、一双屏風(びょうぶ)へ帰って行った。
芥川龍之介
【南京の基督】
若い日本の旅行家は微笑した。さうして上衣の隠しを探ると、翡翠(ひすゐ)の耳環一双(さう)出して、手づから彼女の耳へ下げてやつた。
「これはさつき日本へ土産(みやげ)に買つた耳環だが、今夜の記念にお前にやるよ。」−−
泉鏡花
【雛(ひな)がたり】
一双(いっそう)屏風(びょうぶ)の絵は、むら消えの雪の小松に丹頂(たんちょう)の鶴、雛鶴(ひなづる)。
泉鏡花
【凱旋祭】
雲はいよいよ重く、夜はますます闇(くら)くなり候まま、炬(きょ)の如き一双(いっそう)、暗夜に水銀の光を放ちて、この北の方(かた)三十間、小川の流(ながれ)一たび灌(そそ)ぎて、池となり候池のなかばに、五条の噴水、青竜の口よりほとばしり、なかぞらのやみをこぼれて篠(しの)つくばかり降りかかる吹上げの水を照し、
泉鏡花
【縁結(えんむす)び】
一面漆(うるし)を塗ったように古い額の、胡粉(ごふん)が白くくっきりと残った、目隈(めぐま)の蒼ずんだ中に、一双虎(いっそうとら)のごとき眼(まなこ)の光、凸(なかだか)に爛々(らんらん)たる、一体の般若(はんにゃ)、
石川啄木
【葬列】
拜殿の前近く進んで、自分は圖らずも懷かしい舊知己の立つて居るのに氣付いた。舊知己とは、社前に相對してぬかづいて居る一双石の狛(こまいぬ)である。詣づる人又人の手で撫でられて、其不恰好な頭は黒く膏光(あぶらびか)りがして居る。
石川啄木
【病院の窓】
渠は、右から、左から、再び女を捉へようと焦慮(あせ)るけれど、女は其度男と反對の方へ動く、妙に落着拂つた其顏が、着て居る職服(きもの)と見分けがつかぬ程眞白に見えて、明確(さだか)ならぬ顏立の中に、瞬きもせぬ一双だけが遠い空の星の樣。
岡本綺堂
【青蛙堂鬼談】
その時分でも母などは何だか惜しいようだと言っておりましたが、父は思い切りのいい方で、未練なしに片っぱしから処分しましたが、それでも自分の好きな書画七、八点と屏風一双(そう)と骨董類五、六点だけを残しておきました。
池宮城積宝
【奥間巡査】
その反対の側には六双屏風が立てられて居るが赤い花の咲き乱れた梯梧の枝に白い鸚鵡(おうむ)が止って居る画が描かれてあった。
魯迅
井上紅梅 訳
【故郷】
コンパスはむっとして身を翻し、ぶつぶつ言いながら出て行ったが、なお、行きがけの駄賃に母の手袋一双、素早く掻っ払ってズボンの腰に捻じ込んで立去った。
泉鏡花
【義血侠血】
さて太夫はなみなみ水を盛りたるコップを左手(ゆんで)に把(と)りて、右手(めて)には黄白(こうはく)二面の扇子を開き、やと声発(か)けて交互(いれちがい)に投げ上ぐれば、露を争う一双(ひとつ)、縦横上下に逐(お)いつ、逐われつ、雫(しずく)も滴(こぼ)さず翼も息(やす)めず、太夫の手にも住(とど)まらで、
 
   
 
 

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Last updated : 2024/06/28