作 家
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作 品
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紫式部 與謝野晶子 訳 |
【源氏物語 桐壺】 白い大袿(おおうちぎ)に帝のお召し料のお服が一襲(ひとかさね)で、これは昔から定まった品である。 |
紫式部 與謝野晶子 訳 |
【源氏物語 夕霧一】 夕霧の大将はしばらく休息をしてから衣服を脱ぎかえた。平生からこの人の夏物、冬物を幾襲(かさね)となく作って用意してある養母であったから、香の唐櫃(からびつ)からすぐに品々が選び出されたのである。 |
紫式部 與謝野晶子 訳 |
【源氏物語 総角】 薄紫の細長一領に、三重襲(かさね)の袴(はかま)を添えて纏頭(てんとう)に出したのを使いが固辞して受けぬために、物へ包んで供の人へ渡した。 |
小泉節子 |
【思い出の記】 しかし、ヘルンは辺鄙なところ程好きであったのです。東京よりも松江がよかったのです。日光よりも隠岐がよかったのです。日光は見なかったようです、松江に参りましてからは行った事がございませんから。日光は見たくないと云っていました。しかし、行って見ればとにかくあの大きい杉の並木や森だけは気に入ったろうと思われます。 私の参りました頃には、一脚のテーブルと一個の椅子と、少しの書物と、一着の洋服と、一かさねの日本服位の物しかございませんでした。 |