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閉月羞花
へいげつしゅうか
 ⇒ 閉月羞花 ⇒ 羞月閉花 ⇒ 羞花閉月
作家
作品

泉鏡太郎

【鑑定】

 本文ほんもんつていはく、蓬髮ほうはつ歴齒れきし睇鼻ていび深目しんもく、おたがひ熟字じゆくじでだけお知己ちかづきの、沈魚ちんぎよ落雁らくがん閉月へいげつ羞花しうくわうらつて、これぢや縮毛ちゞれつけ亂杭齒らんぐひばはなひしやげの、どんぐりで、面疱にきび一面いちめん、いや、いろくろこと、ばかりでい。

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三遊亭圓朝
鈴木行三校訂

【松の操美人の生埋 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し】

馬「先生何うですの娘は見事じゃアありませんか」
周「はゝアなアる/\いやこれは美人、こりゃア恐入った代物しろものだ、もしの床几に腰を掛けてる客ね、茶は呑みたく無いが、あの娘を見たい計りで腰を掛けて居ますわ、実に古今無類の嬋妍窈窕せんけんようちょうたる物、正に是れ沈魚落雁ちんぎょらくがん閉月羞花へいげつしゅうかよそおいだ」

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堀口九萬一

【東西ほくろ考】

正整静淑が美人の容貌の様式なのである。だから嬌艶も、婀娜も、又は内部の熱情も、心の内に静かに籠めてゐて、是を外部に現はさない所謂喜怒哀楽を色に現はさないのである。随つて自から表情のない顔面なのである。まんざらないでは無いにしても、どうも表情が薄いのである。
 然るに西洋では、是に反して、表情を主とし、表情が欠けてゐては美人でないとしてあるのである。だから西洋の美人の形容詞には、東西共通の、沈魚落雁、閉月羞花とか、花顔柳腰明眸皓歯とかといふ美人に共通の資格の外に、「動」といふものが美人の美人たる資格の内に含まれてゐるのである。此処が大いに東洋とは異なる点である。

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林不忘

【釘抜藤吉捕物覚書 槍祭夏の夜話】

「姐御ってのが食わせ物さね。しかし親分、いい女だったってますぜ。」と見て来たように、「お前さんの前だが、 沈魚落雁閉月羞花ちんぎょらくがんへいげつしゅうか、へっへ、卍って野郎も考えて見りゃあ悪党冥利みょうりの果報者――ほい、えらく油あ売りやした。」

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  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28