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暴虎馮河
ぼうこひょうが |
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作家
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作品
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芥川龍之介 |
【木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)】
彼は遂に時勢の児也。欝勃たる革命的精神が、其最も高潮に達したる時代の大なる権化也。破壊的政策は彼が畢生の経綸にして、直情径行は彼が一代の性行なりき。而して同時に又彼は暴虎馮河死して悔いざるの破壊的手腕を有したりき。彼は幽微を聴くの聡と未前を観るの明とに於ては入道相国に譲り、所謂佚道を以て民を使ふ、労すと雖も怨みず、生道を以て民を殺す、死すと雖も怨みざる、治国平天下の打算的手腕に於ては源兵衛佐に譲る。
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太宰治 |
【新釈諸国噺】
それがいけなかった。その出鱈目(でたらめ)の言葉が若殿の気持をいっそう猛(たけ)り立たせた。「蛸め。式部は卑怯(ひきょう)だ。かまわぬ、つづけ!」と式部の手のゆるんだすきを見て駒に一鞭(ひとむち)あて、暴虎馮河(ぼうこひょうが)、ざんぶと濁流に身をおどらせた。式部もいまはこれまでと観念し、 「それ! 若殿につづけ。」とお供の者たちに烈(はげ)しく下知した。いずれも屈強の供の武士三十人、なんの躊躇(ちゅうちょ)も無くつぎつぎと駒を濁流に乗り入れ、大浪(おおなみ)をわけて若殿のあとを追った。 |
黒島傳治 |
【武装せる市街】
俺の一生は、まだこれからだ。まだ/\これから、本当の仕事をやるんだ。人間は、三十代になっても、四十代になっても、なお、未来に期待をかけているものである。が、山崎は、この時、生涯に於て、今、本当の実の入った仕事をやっているのだ。未来ではない、現在だ! と感じた。陳長財は、射撃されたいきさつを説明した。それから、 「こんな暴虎馮河(ぼうこひょうが)の曲芸は、やめとく方が利口じゃないでがすか。」と、止めた。「今度ア、なかなか奴らの威勢がいいんですよ。」 |
中里介山 |
【大菩薩峠 恐山の巻】
山岡鉄太郎などをいやに賞(ほ)める奴があるが、要するに、あれは分別臭い利口者だよ、暴虎馮河(ぼうこひょうが)のできる男でもなければ、身を殺して仁を為せる男でもない。そこへ行くと、我輩はむしろ敵ながら近藤の蛮勇をとるよ。近藤や土方(ひじかた)は、討死のできる奴だが、勝や山岡を見てい給え、明哲保身とかなんとかで、うまく危ないところを切り抜けて、末始終は安全を計る輩(やから)だから見てい給え、我輩は、勝や山岡流の智勇よりは、近藤土方流の愚勇を取るよ
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