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捧腹絶倒/抱腹絶倒
ほうふくぜっとう |
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作家
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作品
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正岡子規 |
【病牀六尺】
例せば井上公使の猟区に出掛けた時の有様を説いて、おのおのが手製の日本料理をこしらへて、
それから部屋の中でからに、飯を食ふ時などは、手をポンポンと叩く、ヘイと返辞をするのだと教へて置く、ところが猟師の野郎ヒイといふて奇妙な声を出して返辞をする、どうも
などと書いてあるところは実に面白く出来て居る。総てかういふ風に銃猟談はしてもらひたいものである。否もう少しこまかく叙したならば更に面白いに違ひない、銃猟もここに至つて残酷の感を脱してしまふことが出来る。(五月六日)
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坂口安吾 |
【安吾史譚 勝夢酔】
「おれほどの馬鹿な者は世の中にもあんまりこれは彼が自分の しかし彼は子孫が真人間になるようにといくらか考えたが、自分自身が真人間になることは考えなかった。まだ天罰がこないのはフシギだといぶかりつつ純粋に無頼の一生を終ったのだ。 |
太宰治 |
【思案の敗北】
何もない。失うべき、何もない。まことの出発は、ここから? (苦笑。)
笑い。これは、つよい。文化の果の、花火である。理智も、思索も、数学も、一切の教養の極致は、 もっとも世俗を気にしている者は、芸術家である。 |
太宰治 |
【古典風】
富士山の置き物は、ひとり、どんなに寒くて苦しいか、誰もごぞんじないのです。 |
坂口安吾 |
【花田清輝論】
花田清輝はこの連中の作品に遠慮なく批評を加へて、襲撃されて、ノビたのである。このノビた記録を「現代文学」へ書いたものは抱腹絶倒の名文章で、たとへばKなどといふ評論家が影山に叱られてペコ/\と言訳の文章を「文学界」だかに書いてゐたのに比べると、先づ第一に思想自体を生きてゐる作家精神の位が違ふ。その次に教養が高すぎ、又その上に困つたことに、文章が巧ますぎる。つまり俗に通じる世界が稀薄なのである。
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坂口安吾 |
【我が人生観 (七)芥川賞殺人犯人】
世にカタキほど可愛いものはないという。友だちの秘中の心事は案外そうであったかも知れない。しかし、そこまで目をとどかせる必要はない。通人ぐらい、目のとどかぬものはない。人情によって、故障だらけだ。「トマサンの一生」なる小説は、まことに、故障だらけである。一読、抱腹絶倒。だって、そうじゃないか。チンピラ女学生の、ネバア・ハップンまがいの密書を読んで心機顛倒、恋女房たるその姉さんを離婚するとは、トマサンも大人げない。オオ・ミステイクの山際君でも、もっと大人ですよ。ネバア・ハップンの女学生が芥川賞の女流作家になり、「警視総監の笑ひ」という手前勝手なチンピラ小説を発表したところ、それがトマさんを殺す兇器となったという。 |
坂口安吾 |
【街はふるさと】
やがて少女が座布団をひきずるように現れて、広間の下座正面へ置きすてて去ると、ヤブニラミの妙な男がチョコ/\とローソクの影をくぐるようにとびだしてきた。キチンと坐って、オジギをする。落語なのである。詩のようなものの朗読にはじまって、ランランラン、ラララと唄って、賑やかなこと、満座は抱腹絶倒、長平も例外ではない。涙がにじむほど笑い痴れた。しかし、 「こんな顔は珍らしいですなア」 と云って、落語家が目玉をクルクルやると、薄暗がりというものは、演技と現実が分離して見える。おかしさに変りはないが、この顔で苦労しました、という因果物的なイタマシサが、見物人の笑いのあとに残るのである。明るい電燈の下とは違う。 落語家が去ると、いつのまに来ていたのか、せつ子が長平に寄りそうように坐っていて、 「御多忙の先生はアプレゲールの寄席など御立寄りの機会もあるまいと思いまして、よんでみましたが、ガサツで、おきき苦しかったでしょう」 「いいえ。ごらんの通り、抱腹絶倒、戦後これほど笑ったことはありません」 「そうですか。では、ほかに二三用意がございますけど、やらせましょうかしら |
宮本百合子 |
【三郎爺】
家があるのは名ばかりで、彼はふらふらと足にまかせ、風来坊のように暮していたのである。そのとき、彼の心の中にはどんなことが起っていたのか、私には、はっきり云えない。彼もまたそう明瞭に、俺はこう思うという心持もなかったのだろう。そして、ようやく彼が忘られようとしていた或るとき、突然、まったく思いもかけず、村の者が抱腹絶倒するようなことが突発した。 それは、あんなにして、自分で顔まで剃って嫁づけた女房を、彼がいきなり行って、引っ |
夢野久作 |
【爆弾太平記】
芸者、紳士、警官、お酌、判事、検事、等々々といった順序に重なり合った珍妙極まる人間の |
夢野久作 |
【近世快人伝】
「ほんの心持だけ……」と皆に挨拶をして しかし心ある二三の人は涙を浮べて感心した。 「奈良原到は |
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