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法界悋気
ほうかいりんき
自分とは関係のない人に嫉妬したり、ねたんだりすること。また、他人の恋愛をねたむこと。
作家
作品

二葉亭四迷

【 浮雲 】

要するに昇は長官を敬すると言ッても遠ざけるには至らず、れるといってもけがすには至らず、諸事万事御意の随意々々まにまに曾て抵抗した事なく、しかのみならず……此処が肝賢かなめ……他の課長の遺行をかぞえて暗に盛徳を称揚する事も折節はあるので、課長殿は「見所のある奴じゃ」ト御意遊ばして御贔負ごひいきに遊ばすが、同僚の者は善く言わぬ。昇の考では皆 法界悋気ほうかいりんきで善く言わぬのだという。

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二葉亭四迷

【 浮雲 】

「色だ、ナニ夫婦サ」と 法界悋気ほうかいりんきの岡焼連が目引袖引めひきそでひき取々に評判するを漏聞くごとに、昇は得々として機嫌きげん顔、これ見よがしに母子おやこの者を其処茲処そこここと植木屋を引廻わしながらも片時と黙してはいない。

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岡本綺堂

【半七捕物帳 鷹のゆくえ】

「あすこの家へ来るのかえ」
「いいえ、親たちは堅い人ですから、そんなことは出来ません。この先の辰さんの家で、ほほほほほ」
いくらか 法界悋気ほうかいりんきもまじって女房はこんな秘密までもべらべらしゃべった。辰蔵というのは小料理屋の亭主であるが、身持ちのよくない人間で小博奕ばくちも打つ男である。料理屋といっても、家には老母と小女こおんながいるきりなので、お杉はどんなふうに頼み込んだか知らないが、その家を逢いきの場所に借りて、ときどきに旧主人に逢っている。それを近所ではみんな知っているが、お杉の親たちは不思議に知らないらしい。知れたらきっとなにかの面倒が起るであろうと女房は仔細らしく話した。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28